【ニューヨーク31日】米国防総省は8月30日、アフガニスタンからの米軍撤退が完了したと発表した。これにより、米国にとって最長となった20年にわたる戦争が終わった。
アントニー・ブリンケン米国務長官は30日夜、今後のアフガニスタンへの関与の方針について会見を行った。その中で、ブリンケン長官は「米国にとって、アフガニスタンへの関与の新たな章が始まった。それは外交が牽引するものだ」と強調。その第一歩として、カブールでの外交機能を停止し、それをカタールのドーハに移転すると発表した。
その上で、国際社会と協力して、アフガニスタンに残る米国市民や米国に協力してきたアフガニスタン人らで国外退去を希望する者を引き続き支援し、タリバンの監視、対テロの取り組みを行っていくとした。その1つの成果として、国連安全保障理事会で同日、タリバンに対して、出国希望者の安全な国外退去や人道支援へのアクセスを許可するよう求める決議を採択したことを挙げた。
タリバンが8月15日に首都カブールを制圧して以降、アフガニスタンでは出国希望者の救出作戦が混迷を極めていた。26日にはカブール国際空港の周辺で「イスラム国」系の過激派組織によるテロ攻撃により、米兵13人を含む多数の死者と負傷者が出た。これに対して、バイデン政権は27日に報復攻撃を行っていた。