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第三十六回
座布団のマナーについて
確認して参りましょう
和室にご用意下さっている座布団。座布団にはクッションの役割と、清らかな高い席にお座りいただきたいという訪問者への敬いの気持ちが込められています。そのお気持ちに応えることができますよう、この度は座布団のマナーについて確認して参りましょう。
○挨拶は座布団から下りて
座布団はわざわざご用意下さった「高い席」です。日本では、演台やステージの上から挨拶をする時は「高い所から失礼します」と一言断わります。それは、相手を見下ろすような位置から挨拶をすることは失礼と考える為です。和室にお通し下さいましたら、座布団の上ではなく横(下座側)に正座で座り、そちらで挨拶をします。その後、「どうぞ座布団をおあてください」と勧められてから座布団の上に座るようにします。帰る時の挨拶も同様に座布団の上では行いません。「それではそろそろ」等と言いながら座布団から下り、挨拶をするようにします。和室では座礼(座って行う挨拶とお辞儀)が基本です。
○座布団は踏まないようにしましょう
座布団は、足が痛くないようにと柔らかく、敬意を込めて畳より一段高く、そして、座布団の四隅についている房で邪気祓いまでなさって下さった席。そのようなおもてなしの想いたっぷりの席を足で踏むようなことはできません。座布団の手前で跪座となり、座布団の上を膝で歩くように進んでいき、良い位置で座ります。
○座布団は動かさないようにしましょう
座布団の四方のうち、縫い目がないところが前、後ろの縫い目が上に被っている方が上という風に、座布団には向き(前後・表裏)があります。向きも座布団の列も揃え、美しく並べて下さっているところ、勝手に動かしてその美しさを乱してしまっては、相手のお気持ちを蔑ろにするようなもの。また、和室は机が置かれていない場合があり、座布団を動かすと、座る方向が分からなくなってしまいます。座布団を予めご用意下さっている場合は、動かさないようにしましょう。

(8/14/2025)

筆者・森 日和
禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com
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