動物虐待防止法が卵価格高騰の原因だと主張し、トランプ政権がカリフォルニア州を提訴(7/10)

【ロサンゼルス9日】トランプ政権は9日、カリフォルニア州の動物虐待防止法が卵の品質、検査、包装を規制する連邦法に取って代わり適用されているために卵の価格高騰の一因となっているとして、カリフォルニア州とギャビン・ニューサム同州知事を相手どる訴訟を起こした。

 司法省は訴状で、鶏の飼育スペースを増やすことを義務づける州法を阻止しようとしている。

 2008年と2018年に可決されたカリフォルニア州の2つの投票イニシアチブは、州内で販売される採卵鶏と卵に対して、より高い基準と飼育条件を義務付けており、鶏がのびのびと育ち、他の鳥に触れることなく移動できる十分なスペースを与えることを要求している。

 また、2018年の投票イニシアティブでは、鶏が“ケージフリーの飼育システム以外の囲い”で飼育されることを禁止し、繁殖用の豚と仔牛の飼育におけるスペース要件を義務付けている。

 トランプ政権は、これらの州法は憲法の「最高法規条項」 と1970年に成立した卵製品検査法に代わり施行されていると主張。トランプ政権はまた、最初の大規模な規制が可決された後の数年間で、州内の卵生産量が減少し、卵の価格が20上昇したというデータも引用している。

 これらカリフォルニア州法を支持する米国動物愛護協会(Humane Society of the United States)のような団体は、「残酷で極端な監禁状態」から家畜を守ると主張。多くの場合、採卵鶏は小さなケージに閉じ込められているとしている。

 同州の鶏卵法が法廷で争われるのは、トランプ政権の訴えが初めてではない。2016年と2017年の両年、共和党の州の司法長官は、鶏の収容ユニットに追加のスペースを確保することを求める条項を阻止するために加州を提訴したが、失敗に終わった。最高裁は2019年の審理を拒否し、2年前にも、高裁は豚肉生産者が起こした2018年の動物飼育法に対する異議を却下している。

 

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