2025年、加州で数百の新法施行② 大麻カフェ、ディープフェイク、インフルエンサーの経済的保障法案など(1/6)

【ロサンゼルス2日】カリフォルニア州では2025年、数多くの新しい法案が施行された。ニューサム知事が署名したこれらの法案には、小売犯罪や財産窃盗の取り締まり強化、ホームレス問題への対処、消費者保護の拡大などといった内容の法案が含まれる。ここでは、カリフォルニア州で注目すべき新法と、それが州民に与える影響などについて紹介する。

▶️ハイウェイや駐車場での車の高速レースや危険運転への取締強化

「議会法案1978」は、レースのために高速道路や駐車場を封鎖した場合、法執行機関が運転手の身柄を拘束することなく車両を押収できるようにするもの。
「議会法案2186」は、駐車場での危険運転などの見せ物に使用された車両の押収を拡大する内容。

▶️未成年者への性行為勧誘に対する罰則強化

現在の州法では、未成年者への勧誘に対する罰則は軽犯罪に限られている。今回の新法では、被害者が16歳未満の場合は重罪となり、検察は被害者が16歳以上であれば、再犯者を重罪で起訴できるようになる。 

▶️ホロコースト生存者の盗難品回収を支援

「議会法案2867」は、カリフォルニア州在住のホロコースト生存者が、盗まれた美術品やその他の私物を取り戻すことを支援する。この法案は、略奪された美術品がスペインの美術館に展示されていた事件で、カリフォルニア州法ではなくスペイン法の適用を認めた第9巡回控訴裁判所の判決を受けたもの。このケースではスペインの美術館は美術品を保管することになり、世論の反発を招いた。
この法案はまた、他の大量虐殺や迫害の際に盗まれた美術品やその他の個人所有物にも適用される

▶️ディープフェイク、有名人のデジタルクローンとの闘い

カリフォルニア州は、人工知能の利用拡大に関連し、エンターテインメント業界に対する新たな保護を導入。俳優やその他の出演者の契約書に、AIによる肖像、肖像、声の使用に関する文言を盛り込むことを義務付けている。さらに、死亡した芸能人の肖像、画像、音声をAIレプリカに使用する場合は、本人の遺産から許可を得なければならない。

▶️デミ・ロヴァートの子役インフルエンサーの経済的保障法案

歌手で元子役スターのデミ・ロヴァートが、子供のインフルエンサーの経済的保護を目的とした2つの法案を成立させる原動力となった。共同署名された2つの法案のうち、「上院法案764」は、収益化されたオンライン・コンテンツに利用される未成年者に対し、親または保護者が収益の一定割合を確保することを義務づけるもの。もう一方の「議会法案1880」は、「クーガン法」を拡大し、児童インフルエンサーをこれに含めることを決めた。

▶️青少年入所施設における十代の若者への保護

パリス・ヒルトンが提唱した「上院法案1043」により、カリフォルニア州社会福祉局は、青少年入所施設の患者が拘束された場合、その旨を保護者に通知し、ウェブサイトに掲載することが義務づけられた。

▶️大麻カフェ

 「議会法案1775」は、食事、コーヒー、ライブエンターテイメントを提供する大麻カフェを許可する内容。議員たちは、この法案がパンデミック後に苦境に立たされているダウンタウンを救うと主張している。ウェストハリウッド、サンフランシスコ、サクラメントなどの市は、すでにこの種のビジネスに許可を与えている。

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