VOL.21 春の恒例行事
春、毎年必ずやってくる駐在家族帰国の季節。
一体何人の友人家族を見送ってきただろう。
共に慣れない土地で英語に苦労しながら助けあった友人の帰国はとても寂しく、送別会で涙を流し、
「ロサンゼルスの皆と離れるなんて寂しい!」
「私も◯◯ちゃんがいなくなるなんて想像できない!」
と嘆きあったりもするのだが、帰国日が近づくと、
不動産とのやりとり、日本での新居探し、学校手続き、仕事の引き継ぎ、船便の引越し、航空便の引越し、車の売却、送別会・・・ 諸々やることがありすぎて、寂しがっている暇などない。
一通りのバタバタを終え、最後の最後に開催される恒例の行事、それは・・・
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「みんな!助けて!余った調味料とか冷凍食品もらいにきて」
最後の恒例行事「冷蔵庫のいらんもの回収」
私も大きなカバンを提げて行ってきた。
キッチンに行ったらどーん。
(これはごくごくごくごくごく一部)
私「え、なんかもう想像以上に色々めっちゃ余ってるやんか!」
友達「そやねん、計算ミスったわ」
私「計算ミスりすぎやろ」
召集された5、6人で冷凍庫や冷蔵庫や棚を
漁る・漁る・漁る
友人1:「何この春巻きみたいなやつ」
家主:「韓国スーパーで売っててめっちゃ美味しいよ」
友人2:「この怪しい調味料何?」
友人3:「冷凍イチゴ大量にあるやん 何に使ってるん」
家主:「誰か、これいらない?おすすめの醤油!」
友人4:「欲しい!あれ?でもこれ賞味期限1年前やで」
家主:「いやーん、ごめーん」
家主:「誰かケールもらって!」
友人5「いらん」
家主:「卵いらん?1ダースあるねん」
私:「普通帰国日の数日前に卵買わなくない?」
家主:「ミスったわ」
私:「ミスりすぎやわ」
毎度このタイミングでアメリカの美味しいお菓子や調味料、韓国スーパーの冷凍食品、ドイツ系スーパーのおすすめ商品を知ることができる、めっちゃ盛り上がる最後の楽しいイベントなのである。
そして譲り受けた調味料や冷凍食品を使いながら思い出を振り返り、少し切なくなるのだ。
あゆみちゃんの子供机と椅子、藍子さんの使いかけの日焼け止め、かれんちゃんのちゃんこ鍋のもと、ちえちゃんの余ったオムツと子供服、さっちゃんのファービー人形もどき、みほさんの小鳥の鳴き声がする絵本、ちえこのパン粉
沢山の思い出に私は囲まれている。
同じ時期を共に過ごせたこの思い出は宝物だ。
筆者:
きえぽわ
昭和の女
大阪生まれ 大阪育ち
学校も会社も大阪
人生初のアルバイトは巫女さん
2019年秋渡米(大阪⇒一家でロサンゼルスへ)
家族構成: 夫、子供2人(2歳と5歳)
趣味:タヒチアンダンス、日記(10歳から毎日)、数独
アメーバブログ: https://ameblo.jp/kiepowa