アメリカで1500万円分のキットカットが行方不明に|ららら新聞VOL.23

らら三郎(ららら編集部)

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アメリカで横行する詐欺「架空ピックアップ」 
1500万円分のキットカットが行方不明に

Mashup Reporterによると、ニューヨークで日本菓子のサブスクリプションビジネスを手掛けるBokksu社が仕入れた大量のキットカットが盗難の被害に遭いました。日本のレアなフレーバーのお菓子は、近年米国で人気が高まっていますが、キットカットもそのひとつで、日本の限定味は数倍の値段で販売されています。

 The New York Timesによりますと、Bokksu社の創業者ダニー・テイン氏は今年の夏、メロンや抹茶ラテ、大福味など11万ドル分(約1500万円)を仕入れ、25万ドルの売り上げを見込んでいました。カリフォルニア港に着いた貨物(キットカット)は、ロサンゼルスにあるJapan Crate Acquisitionという会社の運営する施設に一時的に保管したあと、大陸を横断してニュージャージー州のBokksu社の倉庫に到着する予定でしたが、予定日が過ぎてもキットカットは到着しません。

 何が起きてしまったのでしょうか? 

 テイン氏は、フロリダ州にある運送仲介会社Freight Rate Central社に国内の運搬を1万3000ドルで依頼していましたが、この運送仲介会社のオーナーであるシェーン・ブラック氏は業者用のネット掲示板で募集をかけ、HCH Truckingという会社のトリスタンと名乗る人物にロサンゼルスからの運搬を依頼したのです。しかし実際には、トリスタンという人物はそこに在籍していませんでした。その後、トリスタン氏はブラック氏にメールをし、「そろそろ白状する時期だ。私は実は詐欺師で、HCHのオーナーとは何の関係もない」と告白したのです。トリスタン氏はロサンゼルス東部にあるふたつの倉庫の名前を告げて、その後連絡を絶ったといいます。ブラック氏はトリスタン氏に支払いを済ませていなかったということが不幸中の幸いでした。

 Bokksu社は保険の適用が却下されたため、責任をブラック氏に求めました。しかしブラック氏は、HCHのトラックではない人物にやすやすと貨物を預けたJapan Crate Acquisition側に責任があると主張しています。
 こうした詐欺は「架空ピックアップ」「戦略的盗難」と呼ばれる犯罪の一例で、業界専門家によると今年に入って700%増加しているといいます。詐欺が個人のレベルでも企業のレベルでも横行しているので、十分な注意が必要です。

(11/21/2023)

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