ハリウッドで誰よりも高く飛ぶスター、トム・クルーズは、最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』で崖から地上目掛けて生身一つで飛び降りる超危険スタントに挑んでいる。その心境こそ察することは“不可能”に近いが、この度映画で共演したヴァネッサ・カービーが、崖から飛び降りる前のトムの様子を語った。
トム・クルーズといえば、命懸けのスタントを自らこなす真のアクションスターとしてお馴染み。離陸するジャンボジェットに生身でしがみついたり、上空を飛ぶヘリコプターで命綱なしに取っ組み合いのアクションを行ったり、いずれも後がないシチュエーションのスタントをやってのけ、究極の映画体験を生み出し続けてきた。そして最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』でトムは、とにかく高い崖からバイクごと生身で飛び降りるスタントを披露する。
バンジージャンプをやったことがある人であれば、飛ぶ前の足がすくむ感覚を容易に想像できるだろう。しかし、トムは違う。目の前でスタントの様子を見物していたという共演者のヴァネッサによれば、崖を見下ろすトムは「穏やか」。米Varietyでヴァネッサはこう証言している。
「彼は1日で何度も飛んでました。どの角度からも撮影できるように連続で何度も。彼はとにかく穏やかで、向かうところ敵無し、って感じでした。彼の思うことはただ一つ、スリルですよ。映画でこれを味わわせるために何ができるのか、と彼は考えて、情熱を注ぐ。彼はインポッシブルなことを出来ると信じているし、実際にやってのけます。」
崖を目の前にして平静を保つことなど、可能なのだろうか。2022年12月に公開された特別映像では、まさに「向かうところ敵なし」、崖から飛び降りスタントに挑むトムの姿が映し出されている。
映像でも語られている通り、トムはこのバイクスタントに1年以上の歳月を費やしてきた。しかし、どんなに準備万端でも、死と隣り合わせの極限状況には現場スタッフもヒヤヒヤ。遠隔で指示を出すクリストファー・マッカリー監督も思わず口をポカンと開けながらトムの降下をじっと見守り(06:50~)、着地用のパラシュートが開くまで、現場の沈黙は続く。
『ミッション:インポッシブル』は全力疾走で任務に挑むイーサン・ハントだけでなく、演じるトム・クルーズが不可能と思われる事に果敢に挑戦してはじめて成立する映画なのだろう。最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は、2023年7月14日に米公開予定。続くシリーズの完結編、『デッドレコニング PART TWO』は、2024年6月28日に米公開を控えている。
クレジット:Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/9357416526