唐澤彩子: 演技を通して、人間のおもしろさや 奥深さを伝えていきたい

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唐澤彩子
Ayako Karasawa

俳優

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ロサンゼルスを拠点に、短編映画をはじめコマーシャル出演など幅広く役者活動を行う唐澤彩子さん。現在、脚本も執筆中。「演技や作品を通して、人間の素晴らしさ、おもしろさ、奥深さを伝えていきたい」と話す。
https://ayakokarasawa.com/

自身にとって演じることの醍醐味とは「人々の物語を探求したり、人間性を研究したり、人物の心理や人生に没頭する。人間を深く掘りさげていく終わりのないプロセスこそが、私を演劇に惹きこんでいく一番の醍醐味だと思います」

 生まれ育ちは京都。舞台演出だった父、日本画家の母のもとで自然に、舞台芸術や映画、絵画などの芸術に親しみながら育った唐澤さん。「幼いころから本を​​読むのが好きで、ファンタジー物語の登場人物になりきっていろんな世界を冒険したものです。ファンタジー映画の王道ハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングでは、現実の世界とはまったく違う世界に入りこむことが楽しくて夢中でした。大人になった今も、ファンタジーストーリーは変わらず好きで、現実の世界では不可能なことがファンタジーの世界では可能であったり、社会や政治、様々な問題について言い及んだり、解決の糸口を見つけられる、映画作品として完成することが素晴らしいと感じるようになりました」

モデルとしても活動。自然とファンタジーをテーマとした撮影。

 大阪大学ではアメリカ演劇分析を学び、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の演劇学部に1年間交換留学した。「グローバルな世界に飛び込んで、演技で力試しをしてみようと思ったんです。しかし、目の前に立ちはだかったのは、言語の壁、そして文化の壁でした。演技で感情を表わせといわれても、日本人である自分にはアメリカ人の感情の表し方などわかりません。例えば『怒り』を日本人はどちらかといえば隠したり抑える傾向にあります。その反対にアメリカではストレートに怒りを出す傾向にあります。そこをいかに表現するか・・・それが私を演技にさらに駆り立てました。人々がどのように行動し、どのように自分とは考え方が異なるのかに興味を持ち、自分の体、声、心を使ってキャラクターの人生を具現化する方法を突き詰めるようになりました」

 日本で劇団での活動、社会経験を経て、5年前に本格渡米。現在ロサンゼルスを拠点に、コマーシャルや映画出演など幅広く役者活動を続ける。渡米して初めて出演した映画『シンフォニー・オブ・ザ・ビーイング』は、複数の映画祭で賞にノミネートされたほか、パウスプレミア映画祭の受賞作品。同作品は、犯罪者になってしまった母親、家族に疎外された男性、演劇シアターの劇場に立つ女の子、その異なる3人のストーリーで構成されたモノローグである。

花嫁制度を題材にした短編映画『Kamikazari』の撮影にて。

 現在は、長編映画プロジェクトも進行中。「東京、パリ、ロサンゼルスで繰り広げられる 3人の女性のライフストーリーです。母親である女性、死を間近にした女性、恋をする女性、様々な女性の一面が繰り広げられていくパラレルワールド。そんな作品や演技を通して、人間のおもしろさ、人間の心理、さらけだした人間性を伝えていきたい」。

(12/6/2022)

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