Vol.55 神秘! フーデゥーの森へようこそ
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ブライスキャニオンは、キャニオン=渓谷という名前ではあるが、実際には川の流れが作り出した渓谷ではない。雨風による侵食や、岩の割れ目に染み込んだ水が夜の間に凍結・膨張し岩をそぎ落とし、世にも不思議な石柱の谷を作り出した。ニョキニョキと生える石柱は「Hoodoo(フーデゥー)」と呼ばれ、高いものは45mにもなる。赤い石柱と緑の木々が立ち並ぶ谷底は、まさにおとぎ話の世界である。
ここで、この地に伝わるネイティブ・アメリカンの伝説を少し・・・。
〜昔々、そのまた昔、神々の時代にこの地に住んでいた人々がいたそうな。彼らは、辺りに生息する動物たちのことを気にかけず、水を無駄使いし、木の実を食べつくし、好き放題をしていたそうな。それを見かねた神の使いであるコヨーテは、身勝手な人々を宴と偽り一同に集めて、フーデゥーに変えてしまったとさ。めでたし、めでたし。〜
余談になるが、コヨーテはネイティブ・アメリカンの間に伝わるおとぎ話によく登場する。多くは、ずる賢く悪戯好き。その描写は日本の昔話で村人を騙すキツネのような存在だ。
ブライスキャニオン公園内の主要ルートは全長約30kmで、そこに13程のビューポイントが点在する。一番高いところはレインボーポイントで標高は9,100フィート、2,800m近くもある。冬にはかなりの降雪となり、公園南部は通行止めになることが多いので要注意だ。園内のアクセスははほぼ一本道で分かり易く、ルート上のビューポイントからはフーデゥーが立ち並ぶ驚きの光景を思う存分堪能することができる。見逃してはならないのは、インスピレーションポイントとブライスポイント。グランドサークルを廻ると似たようなレッドロックを方々で目にするが、フーデゥーの森は別物。数多い絶景の中でもブライスが一番良かったという声をよく耳にするほどである。

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Nick D (ニックディー)
コロンビア、メキシコなど中南米での十数年の生活を経て、2007年よりロサンゼルス在住。100マイルトレイルラン、アイアンマンレースなどチャレンジを見つけては野山を駈けまわる毎日。
「アウトドアを通して人生を豊かに」をモットーにブログや雑誌への寄稿を通して執筆活動中。
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