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第六十八回
神話から現代へ 私たちの「働くこと」の原点
日本では、4月から新年度が始まります。新社会人の皆様にとりましては、「働く」ことが始まる月でもあります。労働の受け止め方は人それぞれですが、日本では古より「働くことは喜び」という価値観があります。
日本の労働は神様から始まります。天照大神(日本の最高神)は神田と機織り小屋を持ち、稲作と機織りの仕事を行っていたことが古事記(日本最古の歴史書)に描かれています。日本において「働くこと」は、神様からのいただきもの、神様と同じことをさせていただけるという「喜び」なのです。今は神話を学ばなくなりましたので、仕事に対して良いイメージでない人が増えているかもしれませんが、働くことを喜びとしたのは、ご本人の自己実現と国の発展を兼ねた先人の知恵でもあったのではないかと感じています。
「はたらく」の語源は「傍を楽にする」であるという説があり、「周りの人を喜ばせることが働くこと」、そして、「人が喜んで下さって、私も嬉しい」が日本の労働観です。
時を経て、日本も週休二日制となります。最初の事例は今から約60年前。松下電器産業(現パナソニック)が最初に導入を決定します。創業者である松下幸之助氏は「会社は社会の公器である。その為、社員は社会に役立つ教養を身につけてほしい」とおっしゃって、人材育成に力をお入れになります。そして「一日休養、一日教養」をスローガンに掲げ、体を休める為に一日、社会に役立つ人となるよう教養を深める為に一日の週に二日をお休みとされました。「教養がなければいい仕事はできない」と松下幸之助氏はおっしゃっていたそうです。休暇を週に二日にすると、士気が高まり、仕事の能率も上がるとお考えになっていたとも伝わります。
今は更に多様な勤務形態、勤務時間の企業が増え、週休二日制を導入した時の意義を知る人はほとんどいなくなりましたが、その意義を振り返り、週に一日は教養を深める為の日としたいと改めて思います。

(4/2/2026)

筆者・森 日和
禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com
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