【ロサンゼルス9日】6日にICE(移民関税執行局)がロサンゼルス・ダウンタウンの会社に強制捜査に入った際、警察を妨害したなどの容疑で拘束された労働組合「Service Employees International Union California」のデビッド・ウエルタ会長(58)を9日、連邦当局が警官を妨害した共謀の罪で刑事告訴した。
ウエルタ会長は6日、ロサンゼルスのダウンタウンにあるメトロポリタン拘置所に拘留され、5万ドルの保釈金で釈放された。保釈の条件として、連邦捜査官や捜査現場の100ヤード以内に故意に近づくことはできない。9日の午後に連邦裁判所に出廷し、連邦検事局によると、連邦刑務所で禁固最高6年の重罪に問われる可能性がある。
ウエルタ会長の弁護士は、「ウエルタ氏と連邦警察とのやりとりを撮影したビデオが出回っているのを見たが、脅迫や妨害はなかった」と語った。審問を主宰したジャクリーン・チョルジアン連邦判事は、ウエルタ氏の無罪を訴えるコミュニティからの複数の手紙を確認したと述べた。
フエルタ会長は6日にロサンゼルスのダウンタウンで職場での移民捜査を記録している際に拘束され、負傷した。その後病院で手当てを受け、メトロポリタン拘置所に移送された。ロサンゼルスの連邦検事局によると、この抗議活動に関連した9人が連邦政府によって起訴された。
この件に関しては、ウエルタ会長の釈放と移民の取り締まりの中止を求める組合員らの集会が、ロサンゼルスを含む全米の十数都市で予定され、カリフォルニア州のアダム・シフとアレックス・パディラ民主党両上院議員が9日、国土安全保障省と司法省に書簡を送り、ウエルタ会長の逮捕の見直しを要求した。労働組合は声明で、「ウエルタ会長は法執行活動を観察し記録する憲法修正第1条の権利を行使中に拘束された」と述べた。
「UNIグローバル・ユニオン」の声明によれば、ウエルタ会長はカリフォルニアの特に移民のための労働運動において有名な人物。1990年代には「清掃員のための正義」というキャンペーンの一環としてロサンゼルスの移民清掃員を動員して労働条件の改善を要求し、キャリアをスタートさせた。
ウエルタ会長の罪状認否は7月7日に行われる予定。