LAダウンタウンに夜間外出禁止令 抗議活動の暴徒化食い止めへ(6/11)

【ロサンゼルス10日】ICE(移民関税執行局)の移民取り締まりに対する市民の抗議活動が5日目を迎え、300人近くの逮捕者が出る中、ロサンゼルスのカレン・バス市長は、ダウンタウン地区に10日午後8時から翌11日の午前6時まで、外出禁止令を発出すると発表した。対象となる地域は、フリーウェイ5号線、110号線、10号線に囲まれる地域で、リトル東京、チャイナタウン、ファッション・ディストリクト、ファイナンシャル・ディストリクトなどを含む。

 バス市長は10日夜の会見で、破壊行為や略奪行為を止めるため、ロサンゼルスのダウンタウンに非常事態を宣言し、外出禁止令を出したと発表。抗議デモが行われた9日夜、ダウンタウン地区で23のビジネスが略奪され、この地区が落書きなどの深刻な破壊行為の被害を被ったと指摘した

 バス市長は、ロサンゼルス・ダウンタウン地区の非居住者やここで働いていない人々へダウンタウン地区に来ることを避けるよう求めた。夜間外出禁止令を破った人は警察によって逮捕され、起訴されることになる。

 バス市長は、この夜間外出禁止令は数日間続くだろうと述べた。いつ終了させるかは、法執行機関や政治家らと相談して決めることになると説明した。

 この夜間外出禁止令は、対象地域内に住む個人、ホームレス状態にある個人、取材パスを持つ報道関係者、公安や救急要員には適用されない。ロサンゼルス市警のジム・マクドネル本部長は、「この外出禁止令は市民の声を封じたり合法的な抗議活動を抑圧するためのものではない」と強調。エスカレートして不法行為に発展したり人命が危険にさらされることを防ぐためだと話した。

 バス市長はまた、夜間外出禁止令の対象区域が、広さ502平方マイルのロサンゼルス市のわずか数マイルに限定されていることも強調。「デモや暴力があたかも市全体で起きているかのようなイメージで捉えられる場合があるがそれは間違いで、ロサンゼルスの大部分は破壊行為やデモに関連した暴力の影響を受けていない」と指摘した。

 

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