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芳田訓晴
Kuniharu Yoshida
書道家/ヒップホップダンサー
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巨大な紙の上で、全身を使い自分の背丈ほどの大筆を走らせる。今年6月にLACMA(ロサンゼルスカウンティ美術館)で行われた書道のライブパフォーマンスでは、自身にとって最大規模となる27フィートの書道作品に挑んだ芳田訓晴さん。その空間で生み出される作品の躍動感やダイナミズムがオーディエンスらを大いに圧倒した。
書道家としてライブパフォーマンスを主にした活動を行う。書の伝統や基本を大切にしながら新しい可能性を見出していく芳田さんのパフォーマンスや作品は、日米の大手企業からも注目を集め、最近ではSony ElectronicsやGrand Seiko、MAZDA USA主催のイベントで書道パフォーマンスを披露。日本では東京都美術館や長崎美術館などでの書展に出品するなど、グローバルに日本の書道文化の魅力を様々な形で紹介している。
そんな芳田さんが現在重点を置いているのが、リトル東京エリアのコミュニティに向けたプロジェクトだ。「活動のゴールとしているのは、リトル東京の活性化と地域コミュニティの繋がりです。リトル東京界隈は多くの観光客で賑わう反面、交通量が多くせわしい環境にあるため周辺に住むお年寄りの中には外出が億劫だと思われる方が多いようです。皆さんが集って書道を楽しみ、作品を作ることにやりがいを感じてもらえるようにシニア向けの無料クラスを開いています。最終的に皆さんの作品を街に飾って目でも楽しめる、そんなプロジェクトにしたいですね」
東京都出身、祖父は書道家、自身は6歳で書道教室に通い始めた。師匠である河北美子氏のもとで書道を本格的に習得し書道家の道を歩む。剣道にも勤しみ剣道三段の腕を持つ。書と武道の世界で育った芳田さんが高校生の時に出会ったのが、ストリートダンスカルチャーだ。
最高峰ダンスバトルで優勝したことがきっかけとなり、10年前にロサンゼルスに移った。「高校の時に訪れた音楽イベントで初めて90年代のヒップホップのサウンドを耳にして、そこからグラフィティやダンスといったオールドスクールのヒップホップカルチャーにのめり込んでいったんです。ダンスバトルで優勝して、自分がやっているダンスのルーツを辿ると、それがLAでした」
LAを拠点に、書道家/ヒップホップダンサーとして活動する芳田さん。「書道とダンスを続ける上で大切にしたいのは、自己表現をすることかなと思います。スマホやSNSなどデジタルフォーマットの中にはまり込んで生活する現代社会で、人は感受性というものを失いつつあります。そんな中で僕は、皆さんに書道やアートに触れ、一緒に作品を作る楽しさを共有することで、眠っている感受性や自己を表現する感覚を呼び起こしていただけたらと思っています」。
書道で笑顔と元気いっぱい!リトル東京で、無料書道シニアクラス「SHODO for Little Tokyo」を開催中。詳細・参加希望はこちら https://jaccc.org/
(10/24/2023)
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