ヌートバー選手がカッコ良すぎる

 WBC日本代表で活躍中のラーズ・ヌートバー(カージナルス)の人気が大爆発している。1次ラウンドの4試合で14打数6安打、打率429をマーク。優れた選球眼で4死球を選び、出塁率は579。センターでの守備では「絶対に捕る!」というファイトむき出しのダイビングキャッチでチームを救う!日本中がヌートバー選手のプレーに魅了されるのは、高校球児のようなフォア・ザ・チームの精神を強く感じるからだろう。

 

 

 韓国戦の6回に背中に死球を受け、相手投手を睨みつけても、試合後のインタビューでは笑顔で「ちょうど背中が凝っていたので、当てられて良かった。」と答え更に人気爆発。野球に対してのひた向きさ、精悍さと甘いルックス、塁上でのペッパーミルアクションも子供たちに大人気。グッズの売り上げも、大谷選手、ダルビッシュ有選手に迫る勢いで完売状態だ。テレビやラジオの情報番組ではヌートバー特集を連日組む凄まじさで、巷では女性の俄か野球ファンの間で大谷派かヌートバー派かと盛り上がっているらしい。

 WBC開幕前、誰がこのヌートバー旋風を予想しただろうか。私自身、代表選手の発表まで、情けないことに彼の存在を知らなかった。昨年度のメジャーリーグでの成績は、試合数108、打率228、打点40、本塁打14と、1年間レギュラーを務めた立派な成績だった。しかし派手さは無く日本でのマスコミ報道もほとんど無かった。

 そうなんです、一般的には無名に近い存在だった。そんな訳で当初、選出に懐疑的な見方もあったが、今となっては栗山監督の決断が高く評価されている。ヌートバー選手がいる事によって大谷選手もベンチでリラックスしているように見えるから不思議だ。

 こうなると今シーズンのメジャーリーグでの活躍が気になってくる。日本から大量のヌートバー親衛隊が夏休みに応援に行く事も容易に想像出来る。このミーハーぶりが嬉しい。日本の企業も黙っちゃいません。お菓子メーカー、即席カップ麵メーカー辺りがCM契約の手を挙げそうだ。今後ロサンゼルス辺りの街中を歩くと、日本人、日系人の皆さんに声をかけられるだろう。そんな騒動に戸惑うかも知れないが、今シーズン頑張って欲しい。

 実は私、5月にロサンゼルスに行く予定があるので、チャンスがあればヌートバー選手のプレーを観てみたい。あれ程全力で日本の為に頑張ってくれたので、今度はアメリカの地で日の丸の旗を持って応援したい!

 アレ!完全に私ヌートバー選手のファンになっています! 頑張れ、たっちゃん!

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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