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Vol.43 ▶︎大自然に野生動物、文句なしのロードトリップ。帰りたくな~い
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園内を南北に走る8の字ループの北東部分に当たる、キャニオンカントリーとルーズベルトカントリーを結ぶルートが閉鎖されている。五年前にブラックベアーの親子を見たエリアだ。マンモスホットスプリングを見た後に、北のループをぐるりと一周してベースキャンプに戻ってこようと考えていたが、来た道を引き返す以外に選択肢は無くなった。 旅の8日目、イエローストンーで過ごす最終日。少し疲れ気味の家内。毎日、日の出前に起床し、午後9時の日没まで、来る日も来る日も、虫に刺されながら、山道を歩き、カヌーを漕ぎ、マウンテンバイクに乗って過ごしてきた。夜は、狭い車内で少なからず私のイビキにも悩まされたことだろう。疲れていないは筈はない。 マンモスカントリーで、マンモスサイズのひな壇上のホットスプリングを見た後は、暫し別行動をとることにした。家内は、キャンピングカー内で少し休み、その後、歴史的建造物などがあるビレッジをブラブラと散歩。
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道の真ん中を我が物顔で歩くバイソン
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私はというと、マンモスホットスプリングの上部に位置する、アッパーテラスへ。道幅が狭く一方通行となっているアッパーテラスは大型車の乗り入れ禁止だ。再びマウンテンバイクの出番となるが、一歩通行ルートへ辿り着くには急勾配の坂を上らなければならない。かなりの標高差だ。家内に車で連れて行ってくれと頼むと、無言で駐車場の入り口方向を指さした。そこには、駐車場の空きスペースを待つ長い列。仕方なくバイクで坂を上り始める。 車を遠く離れた路肩に停めて歩く沢山の人たち。ここでもまた駐車場渋滞だ。急こう配をノロノロとバイクのペダルを漕いでいると、パークレンジャーが乗る4DWが並走してきた。何やら注意されるかと身構えると、「左側にマウンテンバイク用のトレイルがあるわよ~」と、スピーカーを通して有難いアドバイスをくれた。 アッパーテラスをのんびりと回り、パークレンジャーが教えてくれた、ご機嫌なシングルトラックを下り、駐車場に着いた。入り口には相変わらず空きスペース待ちの車の列。バイクをキャンピングカー後尾のラックに固定していると、4度目の正直でアイスクリームをゲットした家内が嬉しそうに戻ってきた。 明日はソルトレイクシティーへ戻る。キャンピングカーの返却は午前11時。キャンプサイト出発は午前3時半あたりになる。今日は、早めに引き上げることにしよう。ジェネラル・ストアーで夕食の買い出しをし、マンモスホットスプリング・ビレッジを後にした。
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水中から噴き上げられる熱水に含まれる石灰が蓄積しテラス状になる
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何度目の立往生だろうか。おなじみの光景だ。今度は何がいるんだろう?完全に止まることはなくノロノロと前進している。暫くすると黒い塊がこちらに近づいてくるのが見えた。ノッソ・ノッソと反対車線のど真ん中をバイソンが歩いている。 イエローストーン名物のバイソンによるロードブロックだ。初日の「な~んだ、エルクか」渋滞で幕を開けたイエローンストーンの旅、ディズニーランドのアトラクション並みの混雑や、アイスクリーム待ちの長蛇の列、更には生態系の救世主、グレイ・ウルフを拝む列。最後は、これを見ずには帰れない、名物のバイソン・ロードブロックで締めくくりだ。 Life is good with wild animals around !
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(12/21/2022)
Nick D (ニックディー)
コロンビア、メキシコなど中南米での十数年の生活を経て、2007年よりロサンゼルス在住。100マイルトレイルラン、アイアンマンレースなどチャレンジを見つけては野山を駈け回る毎日。「アウトドアを通して人生を豊かに」をモットーにブログや雑誌への寄稿を通して執筆活動中。