【ロサンゼルス30日】ロサンゼルス市議会は30日、身元審査なしで手に入ることから犯罪の温床となっている「ゴーストガン」の所持と販売を禁じる条例を承認した。違反した場合は、軽犯罪となる。
このゴーストガン規制条例は、ポール・コレズ市議とポール・クレコリアン市議が今年8月に提案した。サンディエゴで10月に同様の条例が施行され、ロサンゼルス市議会も市法務局に、ゴーストガンの所有や購入を禁じる条例の起草を求めていた。
ゴーストガンは、身元審査なしにオンラインなどで、500ドル前後でキットが購入でき、シリアル番号もついていない。コレズ市議らは、組み立て式であるために、ゴーストガンがカリフォルニア州の銃規制をくぐり抜け、犯罪の温床となっていると指摘した。コレズ市議によると、サンタクラリータのサーガス高校で2019年11月に起きた、生徒2人が死亡した男子生徒による発砲事件でも、ゴーストガンが使用された。
また、サンタモニカ・カレッジで2013年に起きた、6人が死亡した銃撃事件でも、ゴーストガンが使用されている。
ロサンゼルス市警のレポートでは、今年に入り、少なくとも1,445丁のゴーストガンが押収されており、この数は2020年時から202%増加した。7月の報告では、ロサンゼルス市警が押収する武器の3分の1をゴーストガンが占めている。
ロサンゼルス市は2月に、ゴーストガン・キットの大手販売元である「Polymer80」を提訴した。また、4月には、バイデン大統領が米司法省へ、ゴーストガンの急激な拡散を止めるため、ルール設定を求める命令を出した。