杉山 美紗: 再び『O』の舞台へ。 新たな表現の境地を開く

 

 

杉山 美紗
Misa Sugiyama

シルク・ドゥ・ソレイユ パフォーマー

ラスベガスにて、シルク・ドゥ・ソレイユによるショー「O(オー)」のパフォーマー、モデル、ヨガインストラクターとして活動する杉山美紗さん。 https://www.instagram.com/misasugiyama33/?hl=ja

 

世界最高峰のエンターテイメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」による水上アクロバットショー「O(オー)」。フランス語で「水」を意味する「eau(オー)」から名付けられたこの作品は、オープニングと同時に目の前の舞台全体が一瞬で水の絨毯に早変わり。瞬きをする間もないほどのスピード感や躍動感とともに、その美しさに心を奪われる。パフォーマーたちの人間離れした超人技や舞台装置を特筆とするこの舞台作品は、まさに神秘の世界を創造するものである。  

 

アーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)元日本代表として活躍し世界大会に出場した杉山美紗さんが、オーのパフォーマーとして同作品の舞台に立ち始めて6年になる。「幼い頃からバレエや新体操をしていた自分は舞台が大好きで、14歳で初めて日本でシルク・ドゥ・ソレイユのショーを観た時、魂が震えるほどの感動を覚えました。オーへの憧れを持ちながらも、アーティスティックスイマーとして活動を続け世界選手権を終えた時に悩んだのが、次のオリンピックに挑戦するかどうか。思い立って一人で弾丸ラスベガスの旅を敢行し、オーのショーを観た瞬間『この舞台に絶対に立つんだ!』と決めました」  

 

オーのオープニングナンバーで登場、水の精霊を演じる杉山さん。生と死や夢をテーマに描かれたこの作品は、観る人一人ひとりに作品の捉え方をゆだねているというのが特徴。杉山さん自身もオーの世界観に心を奪われたひとりだと話す。「クルーは、パフォーマーやスタッフを合わせて200人ほど。各国から集まる世界トップのパフォーマーや、ステージに立つ彼らを支え安全を守る製作スタッフ。最高のチームの一人としてこの作品に携われることに大きなやりがいを感じます」

 

 昨年から今年にかけてコロナ禍のロックダウンによりラスベガスの街全体が凍結。シルク・ドゥ・ソレイユをはじめとしたショーは中止となった。コロナ禍を杉山さんはどのような心境で過ごしたのだろうか。「突然ショーが中止となり、多くのスタッフが辞めなければならない状況に陥ったその日も、プールに泳ぎに行ったんです。泳ぎながら『あれ?なんで私は泳いでいるんだろう。舞台にも立てないし泳ぐ理由なんて無いのに』と思いました。それで、一度すべてを止めて、今しかできないことを楽しもうと。それまでしたことのないアートをしてみたり、丁寧に料理を作ってみたり、モデルの仕事に挑戦したり、日々新しいことに没頭しました」  

 

ショーは7月に再開。再びあの舞台に立てることが心から嬉しかったと話す。「コロナ禍で新しい自分に触れたことにより、オーという作品をもっと深く追求したい。パフォーマーとしてだけでなく、〝杉山美紗〟として、また新たな自己の表現というものに挑戦していきたいと思っています」。

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(7/27/2021)

 

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