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森 千代 Chiyo Mori
Middlebury Institute of International Studies at Monterey (MIIS),
Assistant Professor 同時通訳者
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「英語は勉強する対象ではなく、ずっと身近にあったものでした」北加州モントレーにある通訳・翻訳に特化した専門職大学院ミドルベリー国際大学院(MIIS)。ここで助教授を務める森千代さんは国際会議・政府間の通商交渉など多岐にわたる場面で同時通訳者として活躍してきた人物でもある。彼女の半生に迫った。
1973年東京生まれ、千葉育ち。父は建築家、母はピアニストの芸術家一家。小学校入学前に、両親は住まいを千葉県山武市に移した。自然いっぱいの田舎で子育てをしたいと思ったからだ。母はクリスチャンでもあり、母方の従兄弟は皆アメリカ育ちだったため、森さん自身は日本で生まれ育ったものの英語を話す人は常に身近にいた。「家が成田空港に近かったので、電車みたいに飛行機に乗りさえすればそこに他の国があるという感覚がありました」と話す通り、彼女にとって外国は遠いものではなかった。母方の祖父は複数の大学で英文学の教授を務める傍ら、医学論文の翻訳者でもあった。彼が紙の辞書を引きながら英語を翻訳し、古いタイプライターで原稿を打つ姿を飽きずに眺めた。
筑波大学に進学し、生物学を専攻。卒業後はオーストラリアに留学し、生物学の高校教師免許となる教育修士号を取得。その後いったん帰国して、英会話講師やピースボートの通訳ボランティアとして地球を2周したあと「英語を感覚ではなく組織的に学びたい」と考え、ハワイ大学マノア校に留学。応用言語学修士号を取得した。森さんは、学ぶ人、教える人が集う学校という場所が大好き。言語学をさらに究めたい一心で、今度はカナダのブリティッシュコロンビア大学で応用言語学の博士課程を修了。4つの国で教育を受けてきた森さんは、集大成として加州のMIISに進み、日本語会議通訳修士号を取得した。これは通訳者としてのキャリアが花開いた瞬間でもあった。
長い学生生活に終止符をうち、トーランスにあるホンダ技研で社内通訳として3年間勤務。相手の背景や真意を汲み取り、正確に訳していく日々は彼女の通訳者としての実力を着実に向上させた。プライベートでは妊娠と出産を経験。ひとり親として日本で子育てするつもりだったが、人生とはわからないもの。母校MIISの恩師から「ポストが一枠あいたので客員教授としてモントレーに来てみないか」と打診され、躊躇なく二つ返事で生後半年の娘と共に渡米。恩師に引き寄せられるように、人生の方向性と焦点が定まった瞬間だった。そんな娘は今や8歳だ。「会議通訳者を目指す学生と共に学ぶ日々です。これだけ英語に関わってきてもなお知らない単語はまだまだある。私は知らなかったことを知る瞬間が本当に好きなんです」


(8/4/2025)
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