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元読売ジャイアンツのヘッドコーチだった元木大介さんが自身のYouTubeで「最近のプロ野球は〝隠し玉〟が減った」と語っている。隠し玉とは、例えばランナーがセカンドにいて、ピッチャーが投げようと構えている時、セカンドランナーがサードベースを狙うべくベースを離れリードをした瞬間、走者の背後から二塁手が持っていた隠し玉でタッチするプレー。言われてみると、最近のプロ野球ではほとんど見た事がない。プロ野球ニュースの珍プレー好プレーでもお目にかかれない。
元木さんは隠し玉が減った訳を解説している。近年は選手が防具をいっぱい付けていて、その防具をボールボーイが取りに来るためにタイムがかかる。今まではタイムがかからなかったので隠し玉がやりやすかったが、タイムがかかった時点でボールデッドになり、ボールはピッチャーに戻されてしまう。さらには、ボールがちょっとでも地面につくとすぐに交換し、ニューボールになる。一度グラウンドについたボールをピッチャーに戻すことはまずない。今のピッチャーは、投げたボールがフライになってアウトになると、審判にニューボールをもらう事になり、ここでも隠し玉はますます難しくなる。プレーがかかって野手がボールをもらいに行くのは、あの大観衆の中では相当難しい。そんな訳もあって隠し玉が減ったのではと。納得。
確かに隠し玉プレーはカッコイイものでは無いかも知れない。しかし見てみたい。以前こんなプレーがあった。二塁ランナーが塁から離れた際にピッチャーが牽制球を投げ、ヘッドスライディングで戻りセーフ。ランナーが土の着いたユニフォームを払っている時、二塁手がピッチャーに返球したように見せかけプレーは再開。しかしランナーが再び塁から離れた所を二塁手が隠し玉でタッチしてアウト。このプレーに場内騒然となった。情けない表情でベンチに戻る選手が印象的だった。これはベンチにも責任はある。しっかり野手の動きを見てアドバイス出来たはず。
それにしても今の時代、姑息なプレーと思われる隠し玉は、成功してもネットで叩かれ、相手チームのファンからも文句を言われる。5万人もの大観衆を騙すプレーになるわけだから覚悟もいる。実は元木さん1999年4月3日の対阪神タイガース戦で隠し玉を試みたが、桑田真澄投手がボークをとられた苦い経験がある。桑田投手は左足が投手板をまたいでいるように見えたと審判員から通告されたと語っている。
草野球では時々見ることが出来る珍プレー、今こそプロ野球で見てみたい。ジャイアンツ吉川、門脇辺りがやってくれると、面白いのだが。失敗しても阿部監督怒らないでください。
■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。
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