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山川剛史
Takeshi Yamakawa
シェフ
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全席カウンター席を完備、ゆったりと焼肉を楽しめる焼肉店「WAGYU BUTCHER」が11月初めにロサンゼルス(トーランス)にオープンした。店内に足を踏み入れるとカウンター席が周りをぐるりと囲み、中央には広いキッチンステーション。そこで美しいサシの入った和牛の塊を一枚一枚丁寧にカットしているのが、同店シェフの山川剛史さん。「他ではなかなか味わえないメニューもご用意しております。たとえば、頬肉『ツラミ』。厚切りにしてお出しするのですが、食べごたえと筋の味わいが絶妙な逸品です。切り方ひとつで肉の味わいが格段に変わるので、そこを一番大切にしています」。山川さんは、自身が大阪で焼肉店2軒、焼き鳥店1軒を経営する経営者でもある。焼肉の本場大阪で肉を極めた「焼肉職人」による、肉の美味しさを極限に引き出す匠の技を目と舌で体感できる店であることは間違いない。
実家は福島のお米農家。田んぼや畑を走り回りのびのびとした環境で育った。「畑では、人参やじゃがいもなど色々な野菜を育てていました。親が言うには、僕は物心つく子供の頃から畑の野菜を調理器具で切ったりして遊んでいたそうです」。地元の高校に通い、バレーボールに夢中になった。いざ部活を引退して将来を考えた時に、頭の中に漠然と「自分で何かをしたい」「料理をしたい」という思いが浮かんだ。思い立って18歳で大阪へ。辻調理師専門学校へ入り、同校で和・洋・中・菓子を基礎から勉強。「学校で勉強しながら、大阪で有名なお好み焼屋さんで住み込みのアルバイトとして働いたんです。そこがカウンターの目の前でお好み焼を焼いて提供するスタイルのお店で、カウンターを挟んでお客さんと話が弾んだり、同じ空間を共有できるライブ感や活気を感じられるのが嬉しくて。その時にカウンターが好きになりました」
その後、知人からカウンターの焼肉店と焼き鳥店を手伝ってほしいと誘いがあり、「楽しそうだ!」と一つ返事で飛び乗った。そこで肉を見る目や切る技術を養い、毎日肉に向き合った。3年ほどそこで腕を磨き、2009年に大阪天満にカウンターの焼肉店「電撃ホルモン ツギエ」を開店した。「立ち食いの店なんです。オープン当初は『え!?立って食べるの?』と驚かれましたが、天満の街は立ち飲み屋が多いので、仕事帰りに気軽に寄って飲んで食べられる立ち食いのホルモン屋として、リピーターも徐々に増えていきました」
山川シェフの新たな挑戦「WAGYU BUTCHER」がLAでスタートした。その心境はいかに…「まるで二十歳の頃を思い出すようなわくわく感とドキドキ感!こちらに住む日本人の皆さまには、日本にいる懐かしさを思い出していただける、アメリカ人の方には、日本の良さを発見していただけるお店作りをしていきたいと思っています」。
(11/14/2024)
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