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大澄 紅希
OHSUMI KOHKI
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実は、ハワイがアメリカ本土に劣らずサッカーが大人気な土地であることをご存じだろうか…。大澄紅希さん曰く「ハワイはサッカー人口が多いサッカー大好き王国なんです。ところが、人気の高さに反して、グランドもあまりない、プロサッカーチームもない、コーチの質も高いとはいえないなど、環境がまったく整っていないんです」。であれば、自分たちで耕していこうと、2021年に「MIA Elite Academy」を立ち上げ、ハワイの小・中学生を対象にサッカー選手の育成や、サッカー留学のサポート、サッカーを通しての交流を図るなど活動運営を行っている。
「小学校の時にはサッカーが上手くても、その後の指導環境がしっかりしてないばかりに中学・高校になると伸び悩んだり、諦めてサッカーを辞める、とても勿体ない選手を数多くみてきました。それを変えたかった」とアカデミーを立ち上げた理由を語る。今冬からは女子選手の育成も強化していく予定だという。また今年もクリスマス時季にはハワイで恒例のウインターサッカーキャンプを実施。夏には1週間の日本遠征。1日3試合を行うほか、地方のクラブチームとの交流や現地でのホームステイなど盛りだくさんの企画になっている。
自身は小学校から大学まで13年間サッカーをプレイした。「小学校で地元静岡県浜松の選抜チームに選ばれ、県大会で優勝、全国大会にも出場、プロを目指していました。しかし大学生くらいになるとわかってくるんです。自分の能力の限界はここまでだと」。プロの夢を閉ざされた虚無感から大澄さんを救ったのは、ひょんなことで興味を持ったアメリカへの留学。留学資金を貯め、9カ月の語学留学でNYへ。夢に描いたザ・キャンパスライフ!のはずが、自分の英語がまったく通じない、授業もちんぷんかんぷん。そんな始まりだったが、その後の人生にとってかけがえのない留学生活になった。「現地で働く方々との大切な出会い。そのご縁がきっかけで、サッカーやスポーツにはプレイする以外に自分を生かす場所があること、自分が目指すべき目標を見つけることができました」
日本で大学卒業後、2014年にサンディエゴの企業に就職。以来この10年はサッカー選手の育成に携わり、プロ選手も輩出。独立後の現在はハワイのアカデミーに併行して、サッカーを通して日本語を学ぶ「日本語サッカーアカデミー」を全米5拠点で展開するほか、スポーツ業界で働きたい若者のためにスポーツビジネス国際研修プログラムを実施するなど多方面へ向けた企画運営に力を入れる。「アカデミーとしての目標は、オリンピックなど世界の舞台で活躍する選手を育てること。個人的には、今展開している日本語サッカーアカデミーも含めて、アメリカで一番大きい日系スポーツコミュニティを築いていきたい」。
(11/7/2024)
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