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巨人菅野智之投手が満を持して海外FA権利を行使、いよいよメジャーリーグに挑戦する。2020年にもポスティングでメジャー球団と交渉したが、折からの新型コロナウィルス騒動で各球団とも財政が圧迫、条件が提示されることもなく、菅野は傷心の帰国となった。その後、日本でも本来の力を出せず、活躍の場も少なく昨シーズンは4勝8敗の成績に終わり、一部では菅野限界説も囁かれた。しかし今シーズン16勝3敗の最多勝、防御率1.65の好成績で完全復活を見せつけた。
菅野智之、再びメジャーに挑む!35歳の挑戦は遅すぎるのではとの声もあるが、冗談じゃない。先日、大谷選手をきりきり舞いさせたパドレスのダルビッシュは現在38歳、ニューヨークヤンキースで活躍した黒田投手は39歳まで現役だった。
この数年間、肉体的にも精神的にも試練が続いたが、その経験は彼を確実に成長させている。今シーズンの巨人戦、こんなシーンを何度も見た。菅野が先発するとなぜか味方打線が点を獲れない。中盤まで息詰まる投手戦。自軍の打者がバッターボックスに入ると誰よりも先頭に立ってベンチから大声で声援を送る。それが菅野なのだ。勝利投手になりヒーローインタビューを受ける時、いつも声が枯れていた。長いこと様々な選手のヒーローインタビューを見てきたが、声が出なくなっている勝利投手なんて見たことも聞いたこともない。まして球界を代表する大投手、こんな菅野を応援しない訳にはいかない。
今シーズン巨人との年俸契約は4億円と言われている、噂ではメジャーの契約年俸は2年3000万ドル(約45億円)、少なくとも1年15億円とも。本人にとってはお金の問題ではないのだろう。忘れかけていた、メジャーリーグのマウンドで投げ強打者を打ち取る夢が再び訪れ実現しようとしている。
そこで難問にぶつかる。来シーズン、ドジャース大谷翔平と投手対決する可能性も当然予想される。どちらの勝利を願うか究極の選択になる。しかし私の心は決まっている。大谷の投手再デビューも勿論応援するが… 菅野投手の勝利を心から応援する! 菅野から見れば、大谷の活躍をどんなに羨ましく歯がゆく思っていたか、胸中は察するに余りある。12年間読売ジャイアンツの為に投げ続けてくれた。ファンとしては感謝しかない。菅野投手の限りある野球人生を見届けたい。
きっと彼の事だから勝利インタビューでは喉も枯れ、声も出ないだろう。その姿に微笑む日を待っている。
■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。
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