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畠山 順
Yori Hatakeyama
画家
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「文学と絵画」をテーマに、絵画制作を行う画家の畠山順(より)さん。3月16日には自身にとって久々の個展をリトル東京で開催する。「今回の展示では、芥川龍之介の短編小説をイメージにして作品を制作しました。彼の作品は日本で学校の教科書にも出てきますので、馴染みのある日本人の皆さんに共感してもらえるんじゃないかなと思い選びました。絵画や文学が好きなたくさんの方にご来場いただけたらと思っています」。オープニングレセプションではテレビスクリーンに映し出されるビデオアートが披露され、会場では、畳1畳分ほどもある大きな作品6点を展示。作品は全て「卵テンペラ技法」が使用されている。
「油絵はよく知られていますが、卵テンペラ画は油絵より古い古典技法の一つです。卵の黄身の部分を使って描く方法で、水彩画や油絵とは異なり、画面に透明感や光沢のないマットな質感にみえるのが特徴です。どんなに鮮やかなビビッドな色を使っても、温かみのある柔らかい古い絵のような仕上がりになるので、眺めていると心が落ち着く。そこが卵テンペラの好きなところでもあります」
現在ロサンゼルスの自宅の一室をアトリエに制作活動を行う畠山さん。キャンバスに向かい始めたのは幼い頃。「幼稚園の時から時間があればクレヨンでひたすら何かを描いていました。母も絵が好きで近所にあった子供絵画教室に連れていってもらったのが始まりで、小学6年生までずっと通い、中学・高校は美術部に入り、美大を目ざすようになりました」。武蔵野美術大学の油絵科で学び卒業したが、演劇や文学も大好きで、その道の専攻を考えたこともあったという。「だったら、絵画で自分の好きなものを表現したり融合する方法はないかと模索するようになりました」
美大を卒業した年にニューヨークへ渡り、絵画の学校で学んだ。「ブルックリンで友達とスタジオを借りて、制作活動に没頭。そしてNYといえば音楽やダンスなど芸術のあふれる街。タップダンスのクラスを熱心に取ったり、ミュージカルをテーマに描いた作品もありました」
10年暮らしたNYから2011年にLAへ。画家活動を続けながら生活のために翻訳の仕事もしていた畠山さん。日本のテレビ番組の主題歌を歌う音楽家のスプーキー・ルーベンさんから楽曲の翻訳を依頼されたことが出会いとなり、2019年にスプーキーさんと結婚。音楽と絵画をテーマにした「二人展」を開催するなど、たびたび創作活動を共にしている。
「絵画に限らず、演劇やダンス、文学・・・アートってなんでしょうね。日々生活している中で自分の中に秘めているもの、私はそれを『情熱』と呼ぶんですけど。その情熱を表現してたくさんの方とシェアできることがアートの素晴らしさかなと思っています」。
(3/6/2024)
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