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木田龍平
Ryuhei Kida
オートリペアショップ・オーナー
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2024年2月末日をもってガーデナのオートリペアショップ「Kid’s Automotive」(キッズオート)が閉店することとなった。2002年に開業、フリーウェイに近く、レストランや各種ショップが軒を連ねるアーテジアブルバード沿いにあり立地もよく、リピーターも多数、コミュニティの人々に愛されてきた同店が22年の歴史に幕をおろす。
オーナーの木田龍平さんによると、「閉店の理由は、モール一体の立ち退きです。急なことで、これからどうしたらいいのか・・・自分の中で整理をつけようとしていますが、長年続けてきたビジネスを閉じることに対して、まだ現実味がないのが正直なところです」。閉店に伴い、取引先への閉店の通知、大小修理機材の移動、各種届け出など対応するべきことが山積みだ。とはいえ期限が迫っているため、立ち止まっている暇はない。
「これまで、キッズオート共々、大事にしていただいたお客様には本当に感謝の言葉しかありません。突然の閉店となり、特にご利用頂いている皆様には『今後、自分の愛車の修理をどこに持ち込んだらいいのか、定期的なメンテナンスはしてもらえるのか』など不安な思い、ご迷惑をおかけし、申し訳ありません。現在、次の体制を整える準備をしていますので、少しだけお時間をいただけたらと思います。よろしくお願いいたします」
木田さんが日本で車イジりから始めて44年になる。祖父は、地元大阪で消防署員として働いていたがそれを辞めて車屋を創業、消防車を専門に修理していた。父は修理屋を受け継ぎ、木田さんは子どもの頃から車を見て育った。車やオートバイレースのレーサーとしても活躍。アメリカのレースへの進出と共に2000年に渡米した。「モータースポーツの全盛期だった当時は、日本からアメリカへ多くのレーシングチームが参戦した時代でした。僕自身も今日はカリフォルニア、明日はニューヨークと、レースでアメリカ中を飛び回る目まぐるしい日々でした」。独立してキッズオートをスタートしてからは、ショップをひとところに構えてコミュニティの人々にリペアサービスを提供すると同時に、日本から参戦するレースチームのメカニックとしても力を注いだ。
愛車のエンジンが突然かからなくなった!という時、ショップに電話するといつでも作業中であっても「ハロー、キッズオート!」と小気味よく答える木田さん。ここで一旦、自身のビジネス営業は終了となるが、車のスペシャリストとしては異なる形で臨むことになる。不安もあるが、今また人生の新たな一歩を踏み出すところだ。
(2/22/2024)
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