チョークアートで人々が笑顔になるコミュニティを

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瀬尾琴之
Kotono Seo

チョークアーティスト/ウォールアーティスト

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LAを拠点にチョークアーティスト/ウォールアーティストとして活動する瀬尾琴之さん。
Neighborhood Coffee&Teaのウォールに描かれた自身の作品とともに。(2022 South Bay Galleria 1Fにて)
Neighborhood Coffee&Tea :1815 Hawthorne Bl. Redondo Beach CA 90278
瀬尾琴之さんインスタグラム @k0k0_art

チョークで描かれた可愛らしいコーヒーの絵と、「HOT DRINKS, GOOD PEOPLE, GREAT TIMES」と綴られたメッセージ付きの黒板が「美味しいコーヒーでホっと一息してみては」と愛嬌よく語りかけてくるようだ。そんなアートを届けるチョークアーティスト/ウォールアーティストの瀬尾琴之さん。「ロサンゼルスはポップで活気のある街であり、海や自然もある素敵な街。その反対に治安が悪く、荒んだ一面もあります。それでも、もしそこに明るいウォールアートやきれいな看板が並んでいたとしたら、ゴミをポイ捨てしたりする人も減ると思うし、散歩を楽しむ人通りも増えるかもしれません。実際にそんな事例が日本にもあるそうです。自分の作るアートで、みんなの心が健やかで元気になるコミュニティを作りたい」と語る。

 栃木県出身。二つ年上の姉の影響もあり、幼い頃から絵を描くのが好きだった。「小学校3年生でバスケットボール部に入ってからは、もうクラブ活動一辺倒の生活に。バスケに情熱を注ぎ、国体にも出場しました」。バスケを怪我で断念。大学では管理栄養士の勉強をした。「バスケに打ち込んでいた頃に栄養の大切さに気づき、管理栄養士の資格を取得。弁当宅配を提供する食品企業に就職し、そこでは栄養指導を盛り込んだパンフレット制作などを手がけました」。会社の業務でクリエイティブな冊子制作に打ち込んでいた際、周囲から「生き生きしているね」と言われたこともきっかけとなり、もう一度自分のやりたいことを見つめようと決心した。

浮かれない気分で街を歩いていて、ふと目にしたら、気持ちをぱっと明るくしてくれる、そんなアート作品。

 会社を辞めて、1年間のワーキングホリデーでオーストラリアのシドニーに渡った。現地では、住み込みで子供の面倒や家事を行うオペアとして働き、絵を描いて過ごした。何より彼女にとって特別だったのは、オーストラリアはチョークアートの発祥地であり、チョークアートのあふれる街だったことだ。「街なかのカフェや至るところにアートが溶けこんでいました。ホームステイした家の子供がなついてくれなかったのに、ある日台所にある黒板に描いた絵を見て喜んでくれたのが嬉しかった」。その後、ゴールドコースト在住のチョークアートの第一人者、モニーク・キャノンさんのもとで修行。来る日も来る日も寝食の時間以外はずっと黒板に向かい、エネルギーの全てを大好きな絵を描くことに投じた。

 2021年に渡米、UCLAのエクステンションで、文字でデザインを作るタイポグラフィを学んだ。オーストラリアで培ったチョークアートのスキルと、LAで身に付けたタイポグラフィ、そして自身のクリエイティビティを融合させて作るアートで、人々に元気を届けるべく始動したばかり。

ゴールドコースト在住のチョークアートの第一人者、モニーク・キャノンさんのもとで修行。大好きなチョークアートに全エネルギーを注ぎ、自分と向かい合う充実した時間を過ごした。写真の女性は、モニーク・キャノンさん。

 LAの街を歩いていて、自分を笑顔にしてくれるチョークアートに出会ったならば、それは瀬尾さんの作品かもしれない。

(6/27/2023)

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