1月のベニスでのアンダーソン氏死亡事件、1億ドルの賠償金求め市警を提訴(6/19)

【ロサンゼルス19日】ベニスで今年1月3日、ひき逃げ事故の通報を受けたロサンゼルス市警による対応の途中に死亡したアフリカ系のキーナン・アンダーソン氏(31)の家族が、市警に1億ドルの賠償金を求める訴訟を起こした。

 アンダーソン氏のカール・ダグラス弁護士は、同氏が90秒以上警官らに押さえつけられ、テーザー銃で6回撃たれたために死亡したと説明。アンダーソン氏の5歳の息子に代わり訴訟を起こすと発表した。

 市警によると、アンダーソン氏は事故を起こした後に逃走したとされ、警官が追跡した後に取り押さえられた。アンダーソン氏は身柄を拘束され、その数時間後に病院で死亡した。警察によると、コカインとマリファナの陽性反応が出たという。

 ダグラス弁護士は19日の会見で、「死亡時に体内からコカインが検出されたという事実だけで、彼の5歳の息子に代わって正義を求めるという我々の意図に全く影響を与えることはない」と述べている。

 アンダーソン氏は、「Black Lives Matters」の共同設立者であるパトリス・クラース氏のいとこで、5歳の息子がいる。過去8年間は教師をしており、ワシントンD.C.在住だが、事件発生時は休暇で現地の家族を訪れていたという。

 警察は、アンダーソン氏が事件発生時に酒に酔っているように見えたとし、現場となった交差点付近で交通事故を起こした疑いがあるとしている。

 市警が公開したボディカメラの映像では、警官が現場に到着した際、アンダーソン氏が道の真ん中を走るなどして不穏な行動をとっていた。警官が話しかけると逃げ出し、追い付いた際には抵抗したという。警官らはアンダーソン氏に手錠をかけるためにテーザー銃などを使用し、逃走しないように足かせもつけた。

 ロサンゼルス郡検視局は6月2日、アンダーソン氏が心筋症とコカイン使用の影響で死亡したと思われるが、死因は未確定と発表した。

 アンダーソン氏の親族は1月20日に、市に対して5,000万ドルの損害賠償請求を行っている。

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