私、ＷＢＣ(ワールド・ベースボール・クラシック)での日本優勝の熱がまだ冷めない。今も妄想が頭の中をグルグル回る…もし侍ジャパンチームがメジャーリーグの公式戦に一年間参戦したらどんな戦いをしてくれるのか？どんな成績を出せるのか！世界を驚かす事が出来るのか。当然大谷・ダルビッシュ・吉田正尚・ヌートバー選手達も各所属チームから承諾を頂いて同じＪＡＰＡＮのユニホームを着てもらう。
侍ジャパンは３大会ぶりに優勝し日本国内では大変なお祭り騒ぎになった。めでたい事ではあるのだが、アメリカ国内ではＷＢＣ正直まだ盛り上がりに欠けるのでは。メジャーリーグ各球団がどうしても公式戦に照準を合わせるため、一流バッターは出場させるが、エース級の先発投手を出さない傾向があった、残念な事である。オリンピックでの野球競技を軽視してアメリカ主導のＷＢＣを発足させたのだから、本来はメジャーリーグ全体がもっと積極的に協力して欲しかった。
そこで考えたのが「年間通して侍ジャパンがメジャー公式戦で戦ったなら。」…想像してみた。侍ジャパンの投手陣はコントロール抜群で打者のコーナーをつく投球技術に長けた投手が多いので、メジャーのバッターと互角に渡りあえる。問題は打撃部門。メジャーの剛腕ピッチャーの球を打ち返す力があるのか。連日の強行移動スケジュールも気がかりだ。日本と違って球場によっては時差もある。長いシーズン怪我も考えなくては。コンディション作りはどうする。問題は山積なのだがやっぱり観てみたい！
実現したら日本中が大変な事になるのは間違いない！なんたって「毎日が日米決戦」なのだ。恐らく全米から届くＴＶの生放送は日本の早朝になるので、通勤電車内ではみんなスマホの中継画面に釘付け、野球好きの学生たちは授業そっちのけになるだろう。朝のワイドショー番組も各コーナーの前にメジャーリーグ情報枠を設ける事も予想される。更に、日本からの応援ツアーは目白押しになるはずだ。
今は私の妄想に過ぎないが、近い将来実現するのでは！ そのためには日本が誇る企業、トヨタ自動車あたりにメジャーリーグの球団を買収してもらい、日本人から成る「侍ＴＯＹＯＴＡ球団」を発足してくれると嬉しい。日本人選手の存在価値も上がるし、アメリカ在住の日本人の皆さんの励みになるのでは。日本国内では野球をする子供たちが減少していると聞くが、アメリカで大活躍する日本人野球選手の雄姿を見たら変わるはず。野球界だけではなく、自分の持ち味を活かして世界に飛び出して一旗上げようと思う若者は絶対増える！
私の妄想は終わらない。
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■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。