大谷翔平選手を改めて考えてみた

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2023は、米国マイアミでの決勝戦で日本代表「侍ジャパン」がアメリカ代表を3─2で破り、7戦全勝で3大会14年振り3度目の優勝を飾った。この快挙で日本はお祭り騒ぎに。テレビの視聴率は7戦全てが40%越え、夜の再放送も20%を超えて、1日合計60%にも。昭和のテレビ全盛期を彷彿させるとんでもない数字を叩きだした!最近は各局新番組のドラマやバラエティでも10%取れば及第点と言われる環境の中で想像を絶する数字だ。

 岸田総理大臣の極秘ウクライナ訪問、ゼレンスキー大統領との歴史的対面のニュースもかすむ勢い、勿論その中心にいるのはスーパースター大谷翔平選手だ。選手としての活躍は言うまでもない。試合中のチームメイトを鼓舞する立ち振る舞い、マウンドでの相手打者に見せる真剣な眼差し、仲間のホームランを迎える笑顔、そうなんです、全てが絵になる。更に性格も申し分ない。これでは老若男女に人気が出ない訳がない。

 

 

 全米のマスコミは大谷の来期の年俸を予測し始めた。元ニューヨーク・ヤンキースのアレックス・ロドリゲスは「大谷はヤンキースかドジャースに行くだろう。もしかしたらMLB史上初の5000万ドルプレイヤーなるかもしれない。」と言っている。日本円に換算すると年俸65億円になる。

 この金額、異次元過ぎてよく判らない。新橋辺りのサラリーマンが集まる飲み屋でも彼の年俸が話題になっている。「田園調布に家を建てて、ハワイと軽井沢に別荘、夏のバカンス用に豪華クルーザーを購入…。」ここで沈黙…そうなんです、普通の人には使い方が分からないほどの高額だ。私だって判らない。では大谷は莫大な年俸が入ってくる現実をどう捉えているのか。そのヒントはWBCで一緒に戦ったレッドソックスの吉田正尚外野手のコメント「彼は見えている世界が違う。」これに集約されるのではないか。大谷選手自身にしか見えない世界に立ち、野球人として熟考しているだろう。

 100年に1人と言われる偉大なアスリート大谷翔平選手。自らの人生にどれだけお金が必要なのか分かっているはず。引退後、高級住宅街MALIBU Beachでのんびりする姿は想像出来ない。自ら設立する将来の野球少年育成スポーツ財団に寄付するのではと私は勝手に思っているが…

 WBC優勝後のインタビューで「今までの野球人生で一番熱くなれました。」と語る。野球ファンも、そして自らも感動させる力があると改めて知った大谷に怖いものはない。こうなったら日本で応援するだけではつまらない、何としても現地で応援してみたくなってきた!

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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