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フィジカルセラピーで歌が上手くなる!?
~頭蓋骨の縫合をゆるめる~
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Restore and Integrate Physical Therapy (R&I PT)
小児から老人、整形外科、神経性、術後、慢性や急性の痛み、自律神経失調(不眠症、消化不良、生理痛・不順、ホルモンの問題)、アスリート(スポーツ障害・外傷、怪我の予防、パフォーマンスの向上)やボーカリストの発声の向上に向けた治療まで行なっている。
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■質問にお答え頂いた方 藤井義信 PT, DPT, OCS, CFMT, FFMT, FAAOMPT
トーランスでフィジカルセラピーのクリニックを開業している藤井先生。たびたび出張治療のためニューヨークへ出向くのだそう。「NYで治療を受けられる患者さんにはコーラスグループの方々も多いです。フィジカルセラピーを受けたら、以前より各段に上手く歌えるようになったと好評を得ています。ボイストレーナーの方も来られています」。フィジカルセラピーで歌が上手になる!?その理由を藤井先生に聞いてみました。
人間は、喉の奥(声帯がある部位)から音を振動させ発声します。声が大きくなれば振動も大きくなり、オペラ歌手の方はこの振動が全身に行き渡り、骨骨にも音が響くのを自分で感じられるそうです。骨の中では口に近い頭蓋骨の響きも大事で、頭蓋骨が固まっていると、振動が上手く伝わらず、声の響きや質にも影響してしまいます。施術に関してはもちろん姿勢、体幹、顎、口内、声帯の治療も必須ですが、治療の一貫として頭蓋骨の治療も行います。
コーラスグループでソプラノを担当するAさん
頭蓋骨は動く。繋ぎ目「縫合(ほうごう)」
頭蓋骨はひとつの骨ではなく、前頭骨、頭頂骨、側頭骨など8つの骨によって構成されています。それら骨と骨とを繋ぎ合わせている繋ぎ目を「縫合(ほうごう)」と呼びます。縫合は、わずかな柔軟性を持っており、呼吸や発声時にも広がったり縮んだりします。それと同時に多少の頭蓋骨の動きも生じています。
ですから、縫合が硬かったり動きが悪いと頭蓋骨の動きにも影響して制限ができてしまいます。それにより、右記で先ほど言った、うまく頭蓋骨が「振動」できず声の響きにも制限ができてしまうわけです。フィジカルセラピーの治療では徒手療法を使って、この縫合をゆるめて正しく動くようにしていきます。
頭蓋骨は全て筋肉と筋膜で覆われています。後頭骨には後頭筋、前頭骨から後頭骨を繋ぐ筋膜もあります。それらの筋肉と筋膜をゆるめ、縫合自体もゆるめることで、頭蓋骨の制限が改善されます。
縫合をゆるめることは声の響きを良くすることが期待できるほか、頭蓋内圧(頭蓋骨内部の圧力)の制御にも働きかけ、頭痛の解消にも繋げることができます。ご興味のある方は、一度当クリニックにご相談ください。次回は、『フィジカルセラピーで歌が上手くなる!?~声帯の機能~』をご紹介します。
(11/16/2022)
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