突然過ぎる、悲し過ぎる、 神田沙也加の死。

悲しい知らせだった。12月18日女優の神田沙也加さんが北海道市内のホテルの高層階から転落し、その後14階の野外スペースに倒れている所を発見された。自ら命を絶ったと思われる。

沙也加さんと親しい関係者によると、直前に父親で俳優の神田正輝さんが生出演している、テレビ朝日系「朝だ!生です旅サラダ」の放送後、今月21日の正輝さんの誕生日を前祝いする電話をしていたと話している。娘からの最後の連絡になってしまった。おそらく死を感じさせる会話はなかったと思うが、父親としては無念の気持ちで一杯に違いない。

 

 

母親松田聖子の翌日19日のディナーショーは急遽中止になった。娘の沙也加さんとは不仲が伝えられ、最近は連絡をとってないと報道されていたが、娘が死を選んだ事は母親としてどんなに辛い事だろう。今後追い記事が出そうだが、出来る事ならマスコミも2人を追わないで欲しい!

神田沙也加さんとは思い出がある。私が日本テレビ「スッキリ」に出演していた2014年、大ヒットした「アナと雪の女王」を生放送のスタジオで初めて披露してくれた。朝の生放送ということで最初はとても緊張していたが、本番ではスタジオ中に響き渡る素敵な歌声を聞かせてくれた。

熱唱後、私は彼女に声を掛けた。「親の七光りと言われながらもずーと頑張ってきて、今回こんな素晴らしい曲を歌えて本当に良かった。」私の言葉に沙也加さんは「七光りじゃないなんて一生言われること無いと思っていた。」と生放送中に涙ぐんだのだ・・・。素敵な涙だった・・・。なんてピュアな人なのかと一辺に好きになってしまった。それがきっかけで、電話番号を交換、時々お互いの近況報告をしていたのだが、こんな別れが待っているとは・・・。

悲しい出来事が起きた時「誰か相談する相手いなかったの?」「悩みを言える人はいなかったの?」と話題になるが、沙也加さんの周りにも親友はいたはず。きっと相談することで相手に迷惑が掛かるのではと思ってしまう気遣いの人だったのだろう。

沙也加さんは今までの人生、どんなに苦しい時も一人で乗り越えてきたのではないのか。そう考えると本当に切なく悲しいです。私と話していた時にも楽しい事しか言わなかった。それは彼女が「自分の仕事は皆に夢を与えること」と自覚していたからではないでしょうか。

皆さんにお願いがあります。これからもテレビや街角で神田沙也加の歌声がきこえてきたら、悲しい出来事を思い出すのではなく「アナと雪の女王、生まれてはじめて」の澄みきった明るい歌声の神田沙也加さんを思い出して下さい!

それが天国に召された彼女への一番の供養になるのでは。

 

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。