天才藤井聡太の影響力!

将棋の藤井聡太三冠が初の竜王奪取で最年少四冠の快挙を成し遂げた。19歳3か月での達成。それも豊島竜王との戦いで4勝0敗のストレート勝ちの凄まじさなのだ!

22歳9か月の記録を保持していた羽生善治九段は「これからもどんな将棋を指すか楽しみにしています。」のコメントを寄せた。まさに令和の天才棋士の名に相応しい快進撃だ!

 

 

2016年に史上最年少14歳2ヶ月で四段昇段(プロ入り)を果たすと、そのまま無敗で公式戦最多連勝記録を樹立。日本中に藤井聡太ブームを巻き起こした。

将棋戦の結果だけではなく、やれお昼に何を食べたか?おやつのお菓子は何なのか?など将棋とは関係ない事まで話題になる。そのたびに藤井聡太が食べたお菓子が完売!まさにアイドルなみの大人気だ。私の知る限り、昭和の時代から何度か将棋ブームはあったが、こんな凄まじさはさすがに記憶がありません。

一番の変化は将棋を観戦する愛好者が圧倒的に増えたことだ。昭和の将棋ブームでまだ有楽町に朝日新聞の本社があった時代、ビル一面に将棋盤が作られていた。私は仕事の帰りに立ち止まり長い時間みていたものだが、会社帰りのお父さんなど圧倒的に男性ばかりだと記憶しているが・・・。時代は完全に変った。

どちらかというと平面で勝負を競う将棋はアナログで古臭イメージがあったが、時代は流れ今や多くの女性ファンが楽しんでいる。プロレスや競馬場に女性ファンが増えたように、イイ感じになってきているのだ。

そんな訳で現在ABEMAで流れている将棋中継はまるでスポーツ番組や流行りのゲームを見ているようなスピード感がある。当然将棋は一手一手に時間が掛かるものだが、その間過去のデータなどを分析して、次はどんな手を指すのかを解説者と視聴者が一緒に楽しく考えていく。まさにアガサクリスティのミステリードラマの犯人を推理するように楽しむ事が出来る番組作りになっている。これによって今まで将棋に興味をあまり持っていなかった人がファンになる。当然藤井聡太の出現で将来棋士を志す少年たちもどんどん増えている。一人のスーパースターによって世の中が変わることは本当に素晴らしい!

こうなったらいろんなジャンルでスターが欲しいのだ!「天才大工」も見たい。2か月でとんでもない家を建ててくれる!「カリスマ温泉発掘士」はどうだ!温泉を百発百中掘り当てる達人も見たい。温泉が湧き出る瞬間は感動ものに違いない!さらに「トイレ、洗面所の詰りを素早く治してくれるプロ」も欲しい。

どうですか、貴方の周りにも天才パワー人間いるんじゃないですか!

 

 

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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