【ロサンゼルス16日】米国で、食べ物を介して感染する寄生虫疾患「サイクロスポラ症(Cyclosporiasis)」の大規模な集団発生が広がっている。米疾病対策センター(CDC)によると、2026年5月以降、全米34州で少なくとも1,645件の確定症例が確認され、さらに5,100件以上が国内感染かどうか調査対象となっている。
原因は「見えない寄生虫」か
今回問題となっているのは「Cyclospora cayetanensis」という微小な寄生虫による感染症。主に汚染された食品や水を口にすることで感染し、人から人へ直接広がるケースは一般的ではないとされている。
症状としては、激しい水様性の下痢、腹痛、膨満感、吐き気、食欲不振、疲労感などが挙げられる。多くの場合は命に関わる病気ではないものの、高齢者、幼児、免疫力が低下している人では重症化する可能性がある。
中西部で急増 ミシガン州では4,000件超
特に被害が集中しているのが中西部だ。ミシガン州では報告数が急増し、7月16日時点で4,312件に達したと州保健当局が発表している。
CDCは、ミシガン州、オハイオ州、ウェストバージニア州、ケンタッキー州など複数州で発生している集団感染について調査を進めているが、現時点では「どの食品が原因なのか」は特定されていない。
レタスやサラダが疑われるも、断定には至らず
過去のサイクロスポラ症の流行では、袋入りサラダ、葉物野菜、ハーブなどの生鮮食品が原因となった例がある。今回もレタスやサラダ関連食品が調査対象となっているが、特定の食品メーカーや供給元が感染源だと確認されたわけではない。
当局が呼びかける予防策
保健当局は、消費者に対して以下の対策を推奨している。
- 野菜や果物を十分に洗う
- 生鮮食品を扱う前後は手を洗う
- 傷んだ部分のある野菜や果物は避ける
- 下痢などの症状が続く場合は医療機関へ相談する
ただし、通常の洗浄だけでは寄生虫を完全に除去できない場合もあり、感染源の特定が急がれている。
「夏に増える食中毒」の新たな警戒対象に
サイクロスポラ症は米国では過去にも春から夏にかけて発生が増える傾向があり、今回の流行は生鮮食品の安全管理や食品流通網の課題を改めて浮き彫りにしている。
CDCや各州当局は引き続き感染経路の解明を進めており、今後さらに患者数が増える可能性もあるとして注意を呼びかけている。
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