【ロサンゼルスで暮らす人々】日本人アーティストとしての誇り それがわたしの生きる道

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LA暮らし

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馬渕侑子
Yuko Mabuchi


ジャズピアニスト・作曲家

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■ジャズピアニストの馬渕侑子さん。ウォルトディズニーコンサートホール、セゲルストロム芸術センター、ワシントンDC国際桜まつりなど、数々の著名な舞台に出演。

今年SRGJazzから『Paradiso』というシングル曲をリリースして話題になっているジャズピアニストがいる。馬渕侑子さんだ。熟練した技術とエキサイティングなステージで名声を集め、熱狂的なファンを獲得していることで知られている。彼女はどんな道を歩み、現在地に辿り着いたのだろうか。話を伺ってきた。

福井市出身。4歳から音楽教育を受け始めた。母がクラシックピアノの教師であったこともあり、幼い頃から様々な先生の指導を受けた。レッスンに付き合ってくれる母はいつも先生の言葉をメモして、それを自宅での個人練習に生かすようにしてくれた。馬渕侑子さんは全てをスポンジのように吸収し、階段を上るように着実にレベルを上げていった。ピアノ一辺倒かと思いきや、そうでもなく、小・中学校は陸上部に所属した短距離走者。何事にも一生懸命な性格だ。

10代半ばになると、エリカ・バドゥやジャネイ、TLCといったR&Bやヒップホップのアーティストを聴くようになり、一方で世界的ジャズピアニストのオスカー・ピーターソンやモンティ・アレキサンダー、ジョージ・デュークが織りなすジャズの世界に浸るようになった。「何より一番惹かれたのは即興演奏ですね」ジャズは自分を自由に表現できる世界。心はもうクラシック音楽ではなく、オーディエンスと一体化するジャズの世界に魅了されていたのだろう。

高校卒業後は京都の音楽アカデミーに2年間通った。素晴らしいジャズの先生に出会い、その方の勧めで、ジャズの本場であるアメリカで音楽を追求することを決意し、2010年に渡米。LAにあるミュージック・パフォーマンス・アカデミーに2年間通い、その後プロのジャズピアニストとしてデビュー。「ただ練習に取り組むだけでは充分ではありません。自分をプロモートし、ビジネスを理解し、業界の中で人との関係を築き、そして自分のやっていることに自信を持つことが重要」とプロとしての心構えを語ってくれたが、その凝縮された言葉にアメリカ音楽業界で生きていくすべてが詰まっている。

10年以上にわたってWatts-Willowbrook Youth Orchestra(青少年オーケストラ)の伴奏者としてのボランティア活動を続けており、ロサンゼルス市は次世代の音楽家育成への彼女の貢献を称え、表彰状を授与している。4月8日にはオークランドの『Yoshi’s』という老舗のジャズクラブでトリオ編成のコンサートが開催される。「私たちの演奏するさまざまな音楽を皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。日本人アーティストとしての誇りを持って演奏し、コミュニティの応援を大切にしたい」彼女の演奏はInstagramやYouTubeでももちろん見られるが、生の演奏は段違いの興奮に包まれる。興味があればぜひ現地へ。

■2025年シングル『Ethereal』はスペイン・南米チャートで1位を獲得。同年、自身7枚目となるアルバム『Quantum』をリリース。
■今年リリースしたシングル曲『Paradiso』は評判の1枚。躍進はとどまるところを知らず、今年8枚目のアルバムをリリース予定。

(4/1/2026)

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