【ロサンゼルスで暮らす人々】目指したものになれた幸せを噛みしめて 奥深いアカデミアの世界で

LA暮らし

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杜崎群傑
Gunketsu Morisaki


UCLA Asia Pacific Center Visiting Scholar
中央大学経済学部准教授

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「小中高大のなかで大学時代がいちばん充実していました。キャンパスという雰囲気に魅了されて、アカデミアや大学教員という仕事に興味を持ち始めました。僕の専門分野は近現代の中国政治史で、特に中国の立法府の歴史について研究しています。中国には2年間留学したので、今回の在外研究では米国のキャンパスの雰囲気を体験しようと思ってロサンゼルスに来ました」杜崎群傑(もりさき・ぐんけつ)さんは中央大学経済学部の准教授で、今はUCLAのAsian Pacific Centerに所属する客員研究員。彼はどんな半生を送ってきたのだろう。

 1981年生まれ。海と山が身近に感じられる福岡で育った。背が高く痩せた男の子だったため、中学校ではその身長を生かしてバレーボール部に入部。勉強は嫌いだったが、本人曰く「火事場の馬鹿力」発揮タイプで、直前の猛勉強で第一志望の高校に見事入学。ここでももちろんバレーボール部に所属する。大学受験も同様の力で中央大学に合格し、上京して進学した。中央大学を受けたきっかけは「箱根駅伝に触発されたから」だそうで、純粋な人柄が窺える。

 中央大学で過ごした日々は最高だったという。大学の授業はすべてが新鮮で、出会う友達も先生もすばらしかった。特に大学2年で出会った恩師で、歴史学者の姫田光義(ひめた・みつよし)先生は特別な存在。豪快な人で、授業内容も面白く、学生とよく遊んでくれる先生だった。こういった出会いの積み重ねで、杜崎さんは大学教員を目指そうと考え始めるようになった。

 2003年中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、同大学で博士課程まで進み、塾講師のアルバイトで生計を立てながら近現代中国政治史の研究に励んだ。途中、中国・天津にある南開大学周恩来政府管理学院に留学し、中国語で受ける専門の授業に苦労しながらも研究者として大きく成長した。長年の努力が結実し、2012年、遂に中央大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程後期課程を修了し、博士号を取得。この時も「火事場の馬鹿力」を存分に発揮し、デッドラインぎりぎりで博士論文を提出できたそうだ。

 九州大学大学院法学研究院で任期付き助教を務めた後、中央大学経済学部助教を経て、2017年現職(中央大学経済学部准教授)に着任。「UCLAはキャンパスの雰囲気もすばらしく、資料もたくさんあるので毎日が充実しています」博士課程に戻った気持ちで楽しんでいると語ってくれた。

■美しいUCLAのキャンパス
■休みの日には家族とロードトリップへ

(10/24/2025)

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