【ロサンゼルスで暮らす人々】年齢は気にしたことがない 女性が活躍する社会に向けて

LA暮らし

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満田 いずみ
Izumi Mitsuda

パラリーガル・公証人
Kimura London & White LLP

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■パラリーガルで公証人の満田いずみさん

「もともとは航空会社で客室乗務員をしていて、そのあとは法務通訳として仕事をしていたのですが、2007年11月に広島で起きた岩国基地所属米兵による集団レイプ事件に関する不起訴決定というニュースを受けて、どうして不起訴になったんだろうと知りたくて法曹界に興味を持ったのがきっかけです。日米の両国で法律を学んだことは私の強みです」アーバインにある法律事務所でパラリーガル・公証人として活躍する満田いずみさん。彼女の職業遍歴は多彩で興味深い。どんな半生を送り、現在に至るのか、お話を伺ってきた。

 1967年広島県出身。生け花・茶道の師範として仕事に生きる母には昔から常々「世界は広い。日本に縛られる必要はない。世界のどこでも好きなところに行けばいい」と言われながら育った。中学生の頃から「通訳者になること」が目標で、広島国泰寺高校卒業後は「英語以外の勉強が無駄に思えて」大学には進学せず、英語専門学校に通うほど英語に夢中だった。縁あって広島で知り合った米国人と結婚し、バージニア州に移住。見るものすべてが新鮮で楽しかった。20歳のときに長女が生まれて母になった。「アジア人が全くいなかったので人種差別も経験しましたが、悔しいというより面白いと思いました」スーパーに行っては知らない人に英語で話しかけた。彼女にはすべてをポジティブに捉え、自分の力にしていく資質が備わっているようだ。その後、加州オレンジカウンティ(OC)に転居。

 子供に手がかからなくなった時期から仕事を始めた。JALの地上勤務、技術通訳、法務通訳、ユナイテッド航空の客室乗務員と精力的に自分のやりたいことに突き進んでいった。英語とコミュニケーション力が高い彼女はどこでも重宝された。転機は2007年。フライト勤務中に知った広島で起きた米兵による集団レイプ事件のニュースが妙に心に引っかかった。性暴力の適切な捜査と起訴を怠ってきたことが不処罰の背景にあるのではないかと疑問に感じたからだ。Santa Ana CollegeでParalegal Studyを学び、パラリーガルの資格を取得。「私は年齢で、できる・できないを考えたことがないんです」との信念通り、興味を持った法律を学ぶべく、中央大学法学部通信課程に進学し、米国から学びながら2013年に無事卒業。そこで学びを止めることなく、今度は米国の法律学を学び、2020年ロースクールを卒業。「法律を勉強する日々は刺激的でした。今でも日本に帰る時はゼミに出て、教授の話を聞きに行きます」

 満田さんは、米国の、需要があれば何歳でも仕事に就ける文化が大好きだと話す。「幼い頃から憧れていたこの地で自分が必要とされていることは幸せです。これからも学び続けます」

■入社時5人から総勢26人に急成長した法律事務所Kimura London & White LLP
■同僚とハッピーアワーイベントにて。

(9/19/2025)

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