【ロサンゼルス8日】米最高裁は9月8日、トランプ政権がロサンゼルスなどで人種や言語、職業に基づいて移民を取り締まることを当面容認する判断を示した。違法の可能性が高いとして差し止めを命じる仮処分を出した下級審の判断を覆し、「不当な制限」だとする政権側の訴えを認めた。強硬な不法移民摘発を進めるトランプ政権にとって「勝利」となった。
差し止め令は人種や言語、職業、所在の場所だけを理由にした尋問や拘束をICE職員に禁じていたが、この差し止め令は法廷闘争が続く間、無効化されると最高裁は明らかにした。
判事9人のうち、保守派6人が賛成し、リベラル派3人が反対した。保守派のカバノー判事は「英語をほぼ話せないことなどは不法滞在かどうかを確認する上で合理的な疑いを構成する要素になり得る」とし、一方リベラル派のソトマイヨール判事は「無数の市民に屈辱を不必要に与えることになった」と批判した。
最高裁の判断は最終的に訴訟の結論が出るまでロサンゼルスとその周辺のみに適用される。
ただ、これによって中南米系移民に対する無差別な取り締まりが全米に広がる懸念はある。
