【ロサンゼルスで暮らす人々】表現すること これがわたしの生きる道

LA暮らし

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五十嵐晴香
Haruka Igarashi

俳優

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■俳優の五十嵐晴香さん

「幼い頃から表現することに興味がありました。アメリカのほうが日本よりずっとチャンスが多いと聞いて渡米しました。実際そうでした。日本の何倍ものオーデイションがあり、この地はチャンスに溢れています」

今年公開となるホラーサスペンス映画『Parachutes』でKeiko役を演じている俳優・五十嵐晴香さんは、7月25日に開催されたサンディエゴ・コミコン・インターナショナル・インディペンデントフィルムフェスティバルに登壇し、脚光を浴びた。エミー賞やゴールデングローブ賞などを総なめしたドラマ『SHOGUN 将軍』でのLady Rin役として彼女を記憶している人も多いかもしれない。活躍を続ける彼女はどんな半生をたどり、今に至ったのか話を伺ってきた。

 1995年東京都豊島区出身。父はドラマーで、母は区役所職員の家庭に生まれ、一人っ子だった。好きな科目は音楽。3歳から始めたクラシックバレエは12歳まで続けたが、そこで止めてしまった。中学受験のためだった。

 志望校に合格後、表現への果てない思いがむくむくと込み上げ、〝芸能祭〟と呼ばれる高校の文化祭で、男女13人によるセリフなしの芝居に挑戦。演じ終わった後、大きな達成感があった。「これがわたしの場所」という感覚を強くし、高校2年の終わりに芸能事務所に所属する。自分で探してきた事務所だった。

 初舞台は、池袋シアターグリーンでおこなわれた劇『修学旅行』。10代の子を集めたオーディションで勝ち抜き、初めて役を獲得した。その後も舞台でキャリアを重ねながら、このまま俳優業を邁進しようと考えていたが、母のアドバイスで少し踏みとどまる。それは「大学に行ったほうがいいかも。いろんな人と触れ合える最後の機会だよ」という言葉だった。母の言葉で納得し、五十嵐さんは大学に進学。人文学部でヨーロッパ文化を学び、2019年に卒業した。

 翌年の2020年12月渡米。日本で舞台を中心に活動していたが、それで生計を立てるのは難しいと判断したこと、アメリカならば受けられるオーディションの数が格段に多いと知ったことが渡米に至った理由だ。テレビドラマ、コマーシャル、インディペンデント映画などに出演しながら多忙な毎日を送っている。

 『SHOGUN 将軍』のヒットについて尋ねると「全編を通してほとんどが日本語なのに、海外の人に認めてもらった、受け入れてもらったということが大きいと感じます。振り返ると、撮影現場はいつも心地よい緊張感がみなぎっていました。現場の良い空気が画面にも表れたのではないでしょうか」との答え。次はどの作品で五十嵐晴香を見つけるだろう。楽しみだ。

■サンディエゴ・コミコンの記者会見の様子
■映画「Parachutes」のキャスト・クルーと

(8/21/2025)

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