アニメエキスポ2025 ららら特別インタビュー
「自分の中の引き出しと組み合わせで新しさを発見したい」
2025年7月から第2期の放送がスタートし、世界中から注目を集めているアニメ『ダンダダン』。第1期に引き続き、監督を務める山代風我監督がアニメエキスポのパネルイベントに登壇。7月5日、アニメエキスポ会場で山代監督にインタビューを行いました!

≪山代風我 プロフィール≫
2016年、サイエンスSARU入社。湯浅政明監督作『犬王』(2022)では演出を務め、山田尚子監督作『平家物語』(2022)ではエピソードディレクターを担当。また、『映像研には手を出すな!』(2020)や『四畳半タイムマシンブルース』(2022)では副監督を務めた。2024年放送のTVアニメシリーズ『ダンダダン』で監督デビューを果たす。
アニメエキスポに参加した感想は?
みんな自由というか、好きな格好をして、「自分が主人公だ」みたいな感じがすごくして、心から本当に楽しんでいるんだなって。めちゃくちゃ良い空気感だなって思いました。
アニメ『ダンダダン』で、監督として最大のチャレンジは?
ちゃんとスタッフのケアをしながら、ファンが求めているものとか、自分がやりたいこと、やるべきこと、現場のリソースでできることのバランスを取るのがすごく大変でした。
『ダンダダン』を漫画からアニメ化する上で、特に苦労した点は?
漫画を読んだ時の印象を、そのまま映像に置き換えることですね。自分の中の引き出しを開きまくって組み合わせまくって、毎カットやってます。漫画と違って、僕らは時間を操ることができるので、そこを上手いこと活用して魅せ方を作るっていうのを、ずっと1期は頑張ってやろうとしてました。
この業界に入るきっかけを作ったアニメや映画、ゲームは?
意識していたものはあまりなくて、もともと映画を作りたいというのが、ざっくりあったんです。19歳で交通事故に遭って死にかけた体験があって、「あ、意外と人はすぐ死ぬんだ」って感じて、何かやらなきゃと思って、そこから勉強をし始めました。
父親が舞台監督をやっていて、それで舞台を見に行かせてもらったりして、舞台からもインスピレーションをもらっています。台詞って基本的にマウンティングの取り合いだと思うし、関係性の変化は配置とか画面に対しての距離、占有面積の大きさで意志の強さとかが表現しやすい。そういう意味でも、定点の固定カメラの方が、僕は結構好きです。
これからこの業界を目指す若い世代へのアドバイスは?
意外と考え方次第で可能性が広がると思います。作品作りって集団作業だから思い通りになる訳がないんですけど、思い通りにならないからって諦めたりはせずに、一回全部作り切ってみるとか、その時自分ができる100%の力を出す。そうすれば別に失敗したり、違ったものができたとしても、自分ができる最大値はやったって納得できるんで、次に繋がるんですよ。改善してまたやればいいだけなんで。主観的な自分も客観的に見る自分も両方必要だと思います。

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