
第三十一回
食事の前に手を拭く
おしぼりの役割とは?
食前の挨拶「いただきます」。なぜ「いただきます」と言うのでしょうか。
「いただきます」の語源は、「命をいただきます」。
食事は、私たちが生きるために亡くなって下さった命をいただくこと。尊重して、大切にいただく。そのことを忘れないように、食前にいつも「いただきます」と言っています。
食後の挨拶「ごちそうさま」。
こちらは、漢字で「御馳走様」と書きます。「馳走」は、馬を走らせて食材を集める様子を表わし、その後、食事を準備する行為全般を指すようになります。「馳走」に「御」も「様」も付けて、「馳走」の為のすべてのご尽力への感謝と敬意を表わしています。
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食事をいただかなければ、人は生きていくことはできません。例え野菜だけを食べていても、植物も生きていた命です。どうしても命をいただかなければならないので、せめて、感謝や敬意を忘れないようにと、作法にその想いが込められて今に伝わっているのです。
食べ物の命への敬意は、「おしぼりがある意味」にも見ることができます。おしぼりの役割をご存知でしょうか。多くの方が「手の汚れを取る物」と思っていらっしゃるようですが、実は違います。日本の作法では、食事の前に、手は洗ってくることになっています。その為、手は汚れていないはずです。では、なぜおしぼりが必要なのか。それは、目に見える汚れを拭う為ではなく、目に見えない穢れを祓う、「お清め」の為なのです。日本の神社では、神前に向かう前に手水舎で、手と口を清めて、全身の穢れを祓います。食卓も神社と同じ。おしぼりで穢れを祓い、身を清め、いただく命に失礼がない姿に整えます。その為、おしぼりの色はお清めの色である白が基本です。テーブルより高い位置でおしぼりを使うと、祓った穢れが飛び散ってしまい、せっかくのお清めが台無しです。おしぼりはテーブルより少し低い位置で使うようにします。テーブルに置く時は、使った部分を内側にして美しく置きます。
(7/11/2025)

筆者・森 日和
禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com
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