【ロサンゼルス18日】カリフォルニア州のニューサム知事は18日、州内および全米で鳥インフルエンザ感染への懸念が高まっていることを受け、緊急事態宣言を発令した。発令はあくまでも、大事に至るのを未然に防ぐためとしている。
緊急事態宣言は、南カリフォルニアの乳牛から鳥インフルエンザの症例が検出されたことを受けて出されたもの。18日にはまた、米疾病対策センター(CDC)が、ルイジアナ州の症例から鳥インフルエンザによる初の重症者が出たことを報告した。保健当局や公共機関が指摘しているように、カリフォルニア州やその他の地域では、鳥インフルエンザが人から人へ感染した記録はない。
CDCは全米16州で計61人の鳥インフルエンザ患者を記録しており、その半数以上の34人がカリフォルニア州で発症している。
人への感染との関連は確認されていないが、カリフォルニア州の生乳工場では今月初め、商品から鳥インフルエンザが検出されたために自主回収を行った。保健当局は、細菌への懸念から未殺菌牛乳の摂取を避けるよう警告してきた。
ニューサム知事は、カリフォルニア州ではすでに酪農場や養鶏場と協力し、農場労働者が鳥インフルエンザに感染するのを最小限に抑える取り組みを実施していると説明。これまでに確認されている鳥インフルエンザの症例の多くは、酪農家や養鶏場の労働者との関連があると保健当局は発表しており、一般市民への感染リスクは低いとみられている。
緊急事態宣言の発令で、鳥インフルエンザの事態に対応するため、州や地方の機関に資金を提供することが可能になる。
国内では、コロラド州でも2024年初め、ウェルド郡で発生した鳥インフルエンザに対して緊急事態宣言が発令されたことがある。現在の鳥インフルエンザの流行は2022年に始まった。それ以来、この病気の蔓延を食い止めようと、養鶏場では1億羽以上の鳥が殺処分されたと当局は発表している。