【ロサンゼルス11日】ロサンゼルス郡人間関係委員会が11日にヘイトクライムの年次報告書を発表し、2023年に報告されたヘイトクライム件数が1,350件で前年の930件から45%増加し、記録が取られて以来過去最多だったことがわかった。
同委員会によると、犯罪報告件数の増加の一因は、2019年に設置されたイニシアチブ「LA vs Hate」などを通じてより多くの人々が憎悪犯罪の報告に名乗りを上げているためで、憎悪の常態化を受け入ない住民の姿勢の現れとみている。
報告書の調査から、アフリカ系に対する被害、トランスジェンダーやラテンアメリカ系に対する高い暴力率、アジア人、ユダヤ人、ラテンアメリカ系、LGBT、トランスジェンダーを標的としたヘイトクライムが特に多いことがわかった。また、反移民中傷、中東紛争に関連する犯罪、白人至上主義思想に関連する犯罪の増加も目立った。
ロサンゼルス郡のキャサリン・バーガー参事会長はこれを受け、「ヘイトクライムは個人をターゲットにしているだけでなく、コミュニティー全体をターゲットにしている。この報告書によって、地域の指導者たちは傾向を分析し、重点的に取り組むべき分野を特定することができる」と述べた。
「LA vs Hate」は、ロサンゼルス郡全域における憎悪犯罪の防止と対応を目的とした地域社会中心の事業で、被害者への支援や犯罪を報告するための無料資料も提供している。