こんにちは!私は現在、ロサンゼルスのトーランスエリアとオンラインで子供向けの日本語と英語の語学スクールTLC for Kids LA校を運営しています。広島大学の学校教育学部を卒業後、小学校教諭として公立学校の教育現場に勤めていたり、教育委員会の施設で不登校児童のメンタルケアや学習サポートを行ったりしていた経験もあります。現在アメリカでは1歳半~15歳の生徒さんや保護者の方と日々接しながら、のべ10年以上にわたる教育現場経験や2000人以上のお子さんと関わってきております。このコラムではご家庭でのバイリンガル育児のヒントや英語/日本語教育についてお届けしていきます。アメリカで子育てしている方々が、日々の子育てにおいて「これならできそう、ちょっとやってみよう」というアクションにつながればいいなと願っています。
VOL.10 小学校高学年、中高生の英語力学習法と向上法
子供が高学年になり、現地校の学習についていくのが難しくなってきた、という相談をいただくことがあります。また、駐在で渡米されたばかりのご家庭の中にはお子さんがすでに小学校高学年だったり中高生だったりする方もいることと思います。10歳以降のお子さんが現地校での学習に追いつくためには並々ならぬ努力を要しますが、その中でもいくつかの、押さえておくべきポイントがあります。今回はどのような学習をすればより効率よく、効果的に英語を習得できるかをご紹介します。
■「リーディング力」の育成が最重要
まず、現地校の学習に追いつくためには「リーディング力」の育成が最重要です。私たちTLC for Kidsが提唱している「リーディング力」とは英語の本を(辞書なしで)早いスピードで読み解ける力です。日本での英語教育では、単語の意味を覚え(訳読法)、文法ルールを覚え、解釈を覚え、というように「積み上げ方式」で学習します。一見理にかなっているようですが、英語学習においては、「積み上げ方式」は効率よくありません。もちろん基本的な単語や文法を覚えることは必要ですが、そこから先は「英語の本を読む訓練」へ移行した方がはるかに効率的に実用的な英語力が身につきます。事実、アメリカの現地校では毎日15分の読書を宿題に義務付けている学校が多くあります(読ませる時間は学年による)アメリカでは読書教育を非常に大事にしています。
■やり方はとても簡単
・読む本のジャンルに変化をつける
・難易度を少しずつ上げていく
自然科学に関する本を読めば、生物の名前や専門用語を読書を通して覚えることができます。Thanksgivingやリンカーンの自伝を読めば、歴史や政治についての用語と知識を知ることができます。
■本を選ぶポイント
・簡単に読める本から始めること
・1ページに2語以上読めない単語がある時はもう少し簡単なレベルの本にする
また、最初からチャプターブックのような分厚い本を読ませるのではなく、Readersと呼ばれている子供の一人読みを助ける薄い本のノンフィクション(歴史、化学)バージョンから始めることをお勧めします。「単語を覚えていかなければ意味が分からないのでは?」と思われるかもしれませんが、本を読むことで、語彙力も、文法力も獲得していくことができます。ランダムに単語の意味を覚えるよりも、本で覚えた方が、ストーリー性があるので、記憶への定着が良いです。単語の「意味」も深く理解できるようになります。
さらに良いのは、英語の本のリーディング訓練を通して英語を英語のまま理解できる力を身につけることができることです。英語を日本語に置き換えながら本を読み進めていてもネイティブ並みの読書スピードは実現できません。英語を早いスピードで読む訓練を重ねることで、「英語思考」も実現できます。
アメリカは英語を母語としない移民のための言語教育が非常に優れているため、子供向けの本もとても充実しています。本は子供への優れた投資です。図書館で手に取ってみたり本屋でパラパラめくってみたりしながら、気に入った本はぜひ手元に置いておくことをお勧めします。子供がさまざまなジャンルの本を手に取れる環境を自宅に可能な限り用意してあげましょう。
アメリカで子育てをしていると、子供の日本語、英語の習得について色々と考える機会がありますね。お子様を優秀なバイリンガルに育てるには、言語育成プランを明確に持つことが極めて大切です。TLC for Kidsの体験レッスンにご参加いただければ、カウンセラーがお子様に合ったアドバイスをいたします。お気軽にお問い合わせください。このコラムがあなたの日々の子育てのちょっとしたヒントやアクションに繋がることを願っています