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稲 美沙希
Misaki Ina
セキュリティ会社勤務
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天気のいい週末の昼下がり。パサデナシティホールの前を通りかかると入口が塞がれていた。様子が気になって中に入ろうとすると、女性の警備員が英語で建物に入れないことを丁重に伝えた。こちらが日本人だとわかると、日本語に変えて「今日はこれからシティホールでプライベートの結婚式が行われるんです」と感じのよい笑顔で説明してくれた。
ロサンゼルスエリアにオフィスを持つプライベートの警備会社に勤める稲 美沙希さん。このシティホールセキュリティでは、Commander(指揮官)を務める。「市民が安全に建物を利用できるように、危険性のある侵入者や危険から建物を守るのが私たちの仕事です」。アメリカで警備員と聞くと、コンサート会場で警備を張る大柄マッチョの警備員を想像するが、美沙希さんはどう見ても小柄な女性。どうやって危険から身を守るのか…。「私が所属する会社はunarmed 。いわゆる銃を所持しない形態の警備を行っています。警備ライセンスを取得する必要はありますが、特別な筋肉トレーニングはありません。ただ、酒に酔うなど精神が普通ではない人がフラフラと侵入してくることもありますので、自分の身を守るためにもボクシングジムで鍛えています」

自身の子供の頃について、男勝りだったと振り返る。「生まれは札幌ですが、おばあちゃんの家が夕張メロンで知られる夕張地方でお米農家をしているので、よくそこの大自然を走り回っていました。男の子を相手につかみあいの喧嘩をしたりと、やんちゃでした」。洋楽好きな両親やハリウッド映画の影響で、子供心に他の国の言葉を喋ることに憧れるようになった。高校2年生の終わりに上京してインターナショナルスクールに入り、ABCの基礎から英語を勉強して渡米。イーストLAにあるシトラスカレッジの音楽科・ボーカル専攻で学んだ。「この学校の教授陣は音楽業界に精通したプロデューサーやアーティスト揃い。ゲスト講師でスティーヴィー・ワンダーやイーグルスメンバーといったスターを迎えたり、大きな音楽フェスティバルではバックコーラスで出演させてもらったりも!」。音楽尽くめのカレッジライフを送り卒業したが、周りの才能に溢れた音楽家たちに圧倒され自分に限界を感じた。今は、音楽を趣味としてゆったりと楽しむのが心地いいのだという。
LAで生活して13年。現在は警備の仕事だけでなく、レストランのサーバー、リトル東京のお土産屋さんの手伝い、残りの時間で、足が必要なお年寄りのために車を走らせたりとコミュニティのお年寄りのヘルプをするなど、エネルギッシュな毎日を過ごす。「オポチュニティがあれば何でも挑戦してみたい!人生は様々。良いこと悪いこと、ハプニングも含めて、バラエティに富んだ経験を積むことが自分の人生を豊かで楽しいものにしてくれると思っています」。
(10/30/2024)
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