UCバークレー校が今秋、パレスチナ・アラブ研究プログラムを新設(9/12)

【ロサンゼルス11日】UCバークレー校は今秋、パレスチナ・アラブ研究プログラムを新たに開設する。イスラエルとハマスの戦争が続く中、この地域をより深く理解したいという学生の要望と関心の高まりに応えるかたちで、全米でも数少ないプログラムのひとつとなる。

 このプログラムの初代委員長に任命されたのは、同校の歴史学教授で、アラブ現代史の第一人者であるウサーマ・マクディシ氏。「紛争というレンズを通して見られることが多いが、独自の豊かな歴史を持つパレスチナの人々について、より理解を深める機会になる」と述べた。また、学生や教授陣がパレスチナの歴史を、先住民研究やラテン系研究、黒人研究などの関連分野とより深く結びつけることができるようになることに期待を示した。

 このパレスチナ・アラブ研究プログラムは、匿名による325万ドルの寄付により設立され、パレスチナ・アラブの歴史、文化、政治、社会について自由に議論し、学ぶ機会を学生に提供することを使命としている。大学側はまた、学生を対象とした活動、学部の奨学金、会議などの費用に50万ドルを寄付した。

 マクディシ氏によれば、2022年に同大学で教え始めて以来、パレスチナの歴史と文化に関する講座の需要は高かったが、10月7日のハマスの攻撃によって始まった戦争以来、その需要はさらに高まっているという。マクディシ氏はライス大学から2022年にUCバークレー校に移り、アラブ系アメリカ人教育財団のアラブ研究講座の初代主任を務めた

 UCバークレー校の新しいプログラムは、同大学の社会科学部に設置される予定で、パレスチナ人に焦点を当てた全米でも数少ないプログラムのひとつになると見られている。

 UCバークレー校では今春、中東での戦争に使われている兵器を生産する企業への同校による投資に抗議する学生らの大規模なデモが行われた。州議会がカリフォルニア大学への2500万ドルの資金拠出を差し止めることを決定した後、大学の指導者たちはキャンパスでの言論の自由に対する方針変更を発表した。

 

 

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