サーフィン業界で走り続けてきた25年

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五味渕 誠 Makoto Gomibuchi

Jack’s Surfboards ジェネラルマネージャー

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今年で勤続25年。アメリカのサーフ業界に飛び込み、走り続けてきた。Jack’s Surfboards ジェネラルマネージャーの五味渕 誠さん。普段は、ニューポートビーチ店にいる。 www.jackssurfboards.com

 今年も8月初め、サーフィンの世界大会US OPENがサーフィンのメッカ、ハンティントンビーチで開催された。数々のレジェンドサーファーを輩出してきたことで知られるこの大会は、開催期間中は、選手らの迫力あるライディングのほか、音楽ライブや屋台グルメなどが楽しめる祭典として各地から大勢が訪れ賑わいをみせる。同イベントには、地元の企業やスポンサー企業が様々な形で参加。「今年もJack’s Surfboardsのロゴ入り大会記念Tシャツやグッズなどの制作や販売を行いました。この大会はハンティントンビーチの主催であり、皆で力を合わせて盛り上げようという町おこしにもなっています。活気あふれるイベントになりました」

 そう話すのは、ピアのメイン通りに本店を構えるJack’s Surfboardsジェネラルマネージャーの五味渕 誠さん。同社に入社して今年で25年になる。サーフィンが大好きでサーフライフを求めて日本からこの街に移り住んだのは20代前半だった。「初めは英語も喋れなかったから、サーフショップに毎日のように通って、店にいる若者や従業員の子たちと話をしながらサーファー用語や英語を覚えたものです。サーフショップが自分の英語学校であり、アメリカ生活やサーファーとしてのイロハなど色々なことを教わりました」。オーナーはもともと他国からの移民で、快くビザをサポートし受け入れてくれたという。

 入社後は、Jack’sがサポートするサーファーたちをマネージングするチームマネージャーを担当。その後、各店舗のマネージャーを経て、現在ジェネラルマネージャーとして奮闘する。「アメリカのサーフ業界やアメリカ社会にポンと日本人ひとりで飛び込んだわけですから、初めはいろんなことがありました。人種差別を受けたことも多々あった。そんな時は気合で『頑張らなきゃ』って自分に言い聞かせました。言葉の壁、文化の違いで、仲間と意見が食い違うこともあった。そんな時はアドバイスをし合いながら支え合い、これまでやってきました」。入社当初は数店舗を営業していたが、拡張して今ではサンタモニカ、ハモサビーチ、ハンティントンビーチ、ニューポートビーチなど6店舗と2つのアウトレットストアを展開するアイコン的サーフショップとなっている。

 一男一女の父でもある。長女の葵新(キアラ)さんは、9月から大学3年生。キッズサーファーから活動を続ける長男の陽良(ひら)くんは、9月から高校1年生。「子供たちは二人ともスポーツも好きだけど、勉強も良い成績を取りたい!って頑張っているので、僕は見守るようにしています」と子供たちの成長に目を細める。

 この25年を振り返りながら、二人三脚で歩んできた妻の桂子さんへひとこと。「奥さんには迷惑をかけてばかりで…。彼女の支えがあって、ここまでやってくることができた。本当に感謝しています」。

波を攻める五味渕さん。ちょうど20年前、2004年の本インタビューに登場した時の写真。時代は移り変わっても、ハンティントンの波、街、人々の笑顔は変わらない。

(8/16/2024)

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