また凝りもせず車を購入してしまった。フランスのシトロエン2CV。
1948年に発表され、1949年から1990年まで長きに渡り販売され、世界中で愛された20世紀を代表する大衆車。1930年代フランスの郊外の農民は手押し車や牛車で荷物を搬送していた。近代化に遅れ日常の移動手段は19世紀と何ら変わらなかった。
そこでシトロエン社は小型の大衆車を造る事にした。開発コンセプトは、時速60kmで走行出来て、燃費はガソリン3リッターで100km走れる事。50kgのジャガイモ又は樽を乗せられ、荒れた農道を走ってもかごの中の卵が割れない事。更に車両重量300kg以下で運転が簡単。ただスタイルに制限なし。
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こうした無理難題を設計者に要求して出来あがったのが2CVなのだ。発表会当日、あまりに奇抜なスタイルに観客は呆然、立ち会ったオリオール大統領も困惑したらしい。そんな2CVは生産終了から36年が経った現在も世界中から愛され続けている。 実は私、10年前にも同車を乗っていた。
しかしエアコンも無く、それほどリラックスして運転出来ず、次の車に目移りして手放してしまった。いざ手放すと、あの苦労が懐かしくなり、以来街で2CVを見るたびに未練たらしく目で追う始末。 そんな時、悪魔のささやきが知り合いの車屋さんから「少しくたびれていますが安い2CV入りましたよ。」迷わず購入してしまいました。
10年振りに運転席に!まったく変わりが無かった。現代の車に付いている安全装置は何ひとつ装備されていない。つまりエアーバックも無い。頼りないステアリングとシフトレバー、窓は半分にたたむ形式で20cmくらいしか開かない、エアコンも無し。計器回りもスピードメーターとガソリンゲイジのみの潔さ。 しかし走り始めると、開発当時のスローガンだった〝生卵が割れない乗り心地〟そのままなのだ。心は弾み、気分はまるでパリ郊外の農道を走り、村のパン屋さんに出来立てのバケットを買いに行く陽気なムッシュ。隣のケーキ屋ではアップルパイも。そんなイメージを搔き立ててくれる。嬉し過ぎるではないか。
そんな事を考えながらガソリンスタンドに。店員さんに満タンをお願いしてキーを渡すと「テリーさん、ガソリンキャップがないですよ。走行中に飛んで行ったのでは?」の驚きの返事が。「満タンじゃなく8割程度入れておきました。」と冷静なお言葉。ゴム手袋をキャップ代わりにはめてもらい帰宅。
そうなんです、想定内なのです。 私と2CVの旅は始まったばかり。これからの道中何が起きるか楽しみにしている。最近流行りのEV車も良いけれど、中世の馬車みたいな味わいの2CV、可愛いです。
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