時代の嫌悪感 どう向き合うか

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 〝嫌悪感〟について考えてみた。若者の間で普通に使われている「全然平気」「マジ眠い」「ムカつく」「このラーメン激ヤバ」最初に聞いた時には違和感があった。「ムカつく」という言葉は昔から確かにあったが、日常生活で人前で声に出して使うことはなかった。まして女性がお茶を飲みながらなんて皆無だったのでは。今では普通に「マジ眠い」はオヤジだって言ってしまう。否定語だった「全然」もいつの間にか肯定語になっている。

 時代は面白い。1971年7月に銀座4丁目に日本初のマクドナルドがオープンした時は大変な話題となったが、歩行者天国ブームの中、片手にマックバーガーを持って歩くのが大流行になると一部マスコミや大人たちから「歩きながら物を食べるとは」の批判もあり社会問題にも。しかし時は移りスマホ時代になると“ワンハンドフード”は主役になった。片手で食べ物を持ちながら自撮りしているシーンは街でよく見かける。食品メーカーも新商品の開発に忙しい。

 時代の変化の中で嫌悪感も変化する。フォークの神様と呼ばれたボブ・ディランは、1965年5月ニューポート・フォーク・フェスティバルに初めてエレキギターを持ち込み、それまでの生ギター信仰のファンから大ブーイングを受け大騒動なった。まさにエレキギターに対する反発、嫌悪感があったのだ。日本の高校でもエレキギターは不良のやるものと禁止令が出た学校もあった。音楽界に革命を起こしたと言われるビートルズだってデビュー当時は「何だあの長髪は!汚らしい!」と一部の大人たちから違和感を持たれた。ボブ・ディランもビートルズも今やご存知の通り音楽史に残るアーティストとして揺るぎなき存在だ。

 ファッションで言えば、私のようなミリタリー柄好きが履いている迷彩パンツも昔は右翼系の皆さんしか履いてなく、デートで着用していったら嫌われること間違いなしの時代だった。また、黒のスーツを着ていると「お葬式の帰りですか」と聞かれた。しかしいつの間にかリクルートスーツの定番となってしまった。それも男女共に。黒のスーツは就職活動に便利で適しているという変なルールは世界中で聞いたことがない。今も昔も私は違和感を覚える。会話中にスミマセンを連発、話の途中で必要以上の相づち、会話の最初に必ず「でも…」「っていうか」等とりあえず否定から入る、話しているのに目線はスマホ… こういった嫌悪感に近い違和感も日常会話にはある。

 新たな嫌悪感はたくさん生まれている。今夜はまだ挑戦したことがない「冷やしおでん」にしよう。デザートには、最初は違和感があったが、今やみんな大好き「イチゴ大福」食べて元気を出しますか!

 

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■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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