【ロサンゼルス22日】カリフォルニア州で今シーズン、百日咳(whooping cough)の感染者数が昨年の6倍以上に増えており、ロサンゼルス郡では220%近く増加していることがわかった。
カリフォルニア州公衆衛生局の最新データによると、今年に入ってから9月30日までの感染者数は605.4%急増の1,744人で、百日咳の感染者数としては2019年以降、州全体で最も多い数となっている。2023年の感染者数は288人だった。
米疾病対策センター(CDC)によると、この急増は全米規模での傾向を反映しており、今年6月までに報告された米国内の感染者数は昨年の2倍以上に達している。
カリフォルニア州の感染の4分の1以上がサンディエゴ郡で発生しており、昨年はわずか85件だったのに対し、今年は470件となり、同郡ではおよそ553%の増加となった。ロサンゼルス郡では、2023年の85件から今年は186件へと219.9%も増加している。
一方で、百日咳の報告例は、コロナパンデミック以来、過去数年間は減少しており、これは、コロナ禍で衛生管理が強化されたことや、ソーシャルディスタンスが徹底されたのが理由と思われる。
カリフォルニア州では2010年、百日咳の患者数が9,000人を超え、過去60年間で最多となり、乳幼児10人が死亡した。その4年後、同州では11,209人以上の感染者が報告され、2人の乳児が呼吸器疾患で死亡した。
乳幼児は、この病気による危険な合併症に見舞われるリスクが特に高い。CDCの報告によると、百日咳にかかった生後12ヵ月未満の乳児の3分の1以上が病院での治療を必要としている。
百日咳の初期症状は軽い咳、鼻水、微熱などで、普通の風邪に似ている。CDCは、細菌性の病気は進行が早い場合もあると警鐘を鳴らし、呼吸が苦しくなったり嘔吐したり、肋骨が折れることもある、と注意を呼び掛けている。