【日本7日】中国で日系百貨店の閉店が相次いでいることがわかった。上海市の伊勢丹は6月30日に最後の営業を終えた。これにより中国本土の伊勢丹はピーク時の6店舗から1店舗に減った。
ネット通販の拡大や不動産不況に伴う消費不振が背景にあるようだ。家賃などの出店コストが必要ない分、同じ商品を大幅に安く売って百貨店から客を引き寄せている現状がある。加えて、不動産価格の下落も大きい。主要顧客である富裕層や中間層の資産が目減りし、稼ぎ頭の化粧品や宝飾品といった高額品の販売が影響を受けた。また、昨年8月に東京電力福島第一原発の処理水が放出されて以降、日系ブランドが敬遠されたことも追い打ちとなったようだ。
伊勢丹が中国1号展を上海に出展したのは1993年。売上高は2014年度の119億円をピークに減少傾向となり、2023年度は52億円に落ち込んだ。
伊勢丹は中国で最大で6店舗を構えたが、2022年の年末に成都市の2店舗、今年4月に天津市の2店舗を閉じた。今回の上海市の閉店で、中国には3年前に開業した天津の店舗が残るのみとなる。
中国メディア・第一財経は、日系百貨店のみに限らず、中国国内にあるすべての百貨店の閉店は2022年に35店舗、2023年には21店舗にのぼったとする統計を報じている。