心理学と歩んできたこれまでの道

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小松千沙都  Komatsu Chisato

カリフォルニア州公認 臨床心理学者(Little Pine Consulting)

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■カリフォルニア州公認 臨床心理学者の小松千沙都さん。

「父の仕事の関係で小学6年生の時テキサスで1年間暮らしたことが、のちの選択に影響を与えたと思います」ロサンゼルスで心理学者として活躍する小松千沙都さんはそう語った。子どもの癇癪など応用行動分析の専門家である。


 1979年、北海道札幌市出身。大学病院で歯学部の先生として働いていた父と母、そして妹が1人いる。幼少期は父方の祖父母も共に暮らしていた。テキサスから帰国後、両親は「英語を失わないように」と英語の家庭講師をつけてくれた。日本に帰国後もアメリカとの縁を感じる生活を続けた。


 中高を札幌で過ごしたあと、卒業後はアメリカの大学に行きたいと志すように。留学に際して両親から出された条件はふたつ。「TOEFLで4年制大学に入学できる点数をとることと日本人のいないところへ行くこと」高3のときの必死の勉強が功を奏し、オクラホマ州の州立大学へ入学。アルバという小さな街だった。いじめを解決したいという思いから心理学を専攻。「ホームシックが酷く、当初はアメリカに来たことをとても後悔しましたが、将来来て良かったと思える結果を出すため、寂しい思いをさせている家族がわたしを外に出してよかったと思える結果にするため、良い成績を出せるように努力しました」納得したら気分の切り替えは得意な方だった。「そこで2年間過ごしたあとテキサス大学オースティン校にトランスファーしました。やはりテキサスへという気持ちはありました」今度は一転、超マンモス校で過ごした。その後、2008年ルイジアナ州立大学で博士号を取得。卒業論文の研究で訪れたサンタバーバラの美しさに魅了され「西っていいなと刷り込まれましたね」研究生活を送る大学院の途中で母のがんが発覚し、2年半闘病し、母を送った経験もした。また臨床経験を積むために1年間熊本の国立病院精神科で強迫性障害の専門家のもと、実地で学ぶ経験も積んだ。


 先に働いていた友人に声をかけてもらったことがきっかけで、ロサンゼルスで自閉症児の研究と介入をおこなう民間会社に就職。認定行動分析士(BCBA-D)且つ心理学者として2008〜2017年までばりばりと働いた。子どもが生まれたことをきっかけに2017〜2019年の2年間家族で日本に移住し、札幌で父の近くで過ごしたことは良い思い出だ。その後再びロサンゼルスに戻り「キャリアをさらに積みたい」という強い思いから今度は自分の会社を立ち上げた。それがLittle Pine Consultingという会社だ。日本語を使って邦人コミュニティーに貢献したいと思いながらできなかった夢が、これで叶った。「民間会社にいるときは邦人コミュニティーに関わることは難しかったですが、自分の会社なら思う存分それができます。日本人はカウンセリングを受けることに対して躊躇される方が多いですが、よりよい心身の健康を手に入れ、保つために積極的に利用してほしいと願っています」。

■オンラインカウンセリングの様子。
■応用行動分析についてレクチャー中。
■Asians Pacific Islanders with Disabilitiesの学会にて。

(7/2/2024)

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